UFC 10

UFC 10: ザ・トーナメント - 新たな伝説の幕開け

1996年7月12日、アメリカ合衆国アラバマ州バーミングハムのフェアグラウンズ・アリーナ。そこでは、格闘技史に新たな1ページを刻む大会、UFC 10: ザ・トーナメントが開催されました。前大会までのワンマッチ制から、再びトーナメント形式へと回帰したこの大会は、数々の衝撃と興奮を観客に届けました。

トーナメント制復活と新たなスターの誕生

UFC 10の最大の注目点は、トーナメント方式の復活です。この方式は、UFC初期の大会を象徴するものであり、多くのファイターにとって頂点を目指す大きな舞台となりました。そしてこの大会で、後にUFCを代表するファイターとなるマーク・コールマンがUFC初出場にして衝撃的な優勝を飾ります。バルセロナオリンピック出場経験を持つレスリングの強豪、コールマンは、モティ・ホーレンスタイン、ゲーリー・グッドリッジ、そしてドン・フライといった強敵たちを次々と撃破。圧倒的な実力でトーナメントを制覇し、UFCの歴史に名を刻みました。

多彩な顔ぶれと歴史的瞬間

UFC 10には、コールマン以外にも数多くの注目選手が出場しました。その中には、ハイチ人として初めてUFCの舞台に立ったデュセル・バットの姿もありました。彼の出場は、UFCのグローバル化を象徴する出来事の一つと言えるでしょう。さらに、この大会から、ブルース・バッファーがオクタゴンアナウンサーとしてUFCに参加。彼の独特のアナウンスは、以降UFCの代名詞となり、大会を盛り上げる重要な要素となりました。

試合結果の詳細

大会では、トーナメントに先立ち、リザーブマッチが2試合行われました。ジーザ・カーマンとサム・アドキンスがそれぞれ勝利し、トーナメント出場権を獲得しました。

続くトーナメント1回戦では、コールマンの他、ドン・フライ、ブライアン・ジョンストン、ゲーリー・グッドリッジが準決勝進出を決めました。準決勝では、フライとコールマンが勝利し、決勝戦へと駒を進めました。

そして迎えた決勝戦。コールマンとフライによる激闘は、コールマンが11分34秒、レフェリーストップによるTKO勝ちで制し、見事優勝を収めました。彼の圧倒的な実力と闘志は、多くの観客を魅了し、UFCの歴史に新たな伝説を刻みました。

主な試合結果

リザーブマッチ: ジーザ・カーマン vs. デュセル・バット (カーマン勝利)
リザーブマッチ: サム・アドキンス vs. フェリックス・ミッチェル (アドキンス勝利)
トーナメント1回戦: ドン・フライ vs. マーク・ホール (フライ勝利)
トーナメント1回戦: ブライアン・ジョンストン vs. スコット・フィードラー (ジョンストン勝利)
トーナメント1回戦: マーク・コールマン vs. モティ・ホーレンスタイン (コールマン勝利)
トーナメント1回戦: ゲーリー・グッドリッジ vs. ジョン・キャンペテーラ (グッドリッジ勝利)
トーナメント準決勝: ドン・フライ vs. ブライアン・ジョンストン (フライ勝利)
トーナメント準決勝: マーク・コールマン vs. ゲーリー・グッドリッジ (コールマン勝利)
* トーナメント決勝: マーク・コールマン vs. ドン・フライ (コールマン勝利)

UFC 10の意義

UFC 10は、単なる格闘技大会以上の意味を持っていました。トーナメント方式の復活、新たなスターの誕生、そしてUFCのグローバル化への一歩など、様々な要素が絡み合い、UFCの歴史において重要な転換期となった大会と言えるでしょう。この大会で生まれた興奮と感動は、多くのファンに語り継がれ、UFCの成長を支える大きな力となりました。その興奮と熱気を、今一度振り返ってみるのも良いかもしれません。

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