UFC 99

UFC 99: ザ・カムバック - ドイツ凱旋とレジェンドたちの帰還

2009年6月13日、ドイツ・ケルンのランクセス・アレーナ。UFCがヨーロッパ大陸に初上陸を果たした記念すべき大会、UFC 99「ザ・カムバック」が開催されました。イギリスやアイルランドでの開催実績はありましたが、ドイツでの開催は初めてであり、ヨーロッパの格闘技ファンにとって大きなイベントとなりました。大会のサブタイトルである「ザ・カムバック」が示す通り、長らくUFCのリングを離れていた名だたるファイターたちが、この大会で華々しい復活を遂げようと集結しました。

メインイベントと注目カード

大会のメインイベントを飾ったのは、ヴァンダレイ・シウバとリッチ・フランクリンによる195ポンド（約88kg）のキャッチウェイトマッチ。両雄の激突は、当時から世界中の格闘技ファンを熱狂の渦に巻き込みました。その他にも、長らくファンを魅了してきたミルコ・クロコップが約2年ぶりのUFC復帰戦に挑み、勝利を収めたことは大きな話題となりました。日本の誇る人気ファイター、宇野薫も参戦し、世界最高峰の舞台で健闘を見せました。

ヘビー級では、当初ケイン・ヴェラスケスとヒース・ヒーリングの対戦が予定されていましたが、ヒーリングの気管支炎により欠場が決定。急遽、シーク・コンゴが代役として参戦することとなりました。この変更にもかかわらず、ヴェラスケスは圧巻の勝利を収め、その実力を改めて世界に示しました。

熱戦が繰り広げられた全試合

大会では、メインイベント以外にも数々の激戦が繰り広げられました。プレリミナリィカードからメインカードまで、ウェルター級、ライト級、ヘビー級と様々な階級の選手たちが、その技術とパワーを存分に発揮しました。

以下、主な試合結果です。

プレリミナリィカード

第1試合：ジョン・ハザウェイ vs. リック・ストーリー（ウェルター級）→ ハザウェイ判定勝ち
第2試合：ステファン・ストルーフェ vs. デニス・ストイニッチ（ヘビー級）→ ストルーフェチョークスリーパー勝ち
第3試合：ポール・ケリー vs. ローランド・デルガド（ライト級）→ ケリー判定勝ち
第4試合：ポール・テイラー vs. ペーター・ソボッタ（ウェルター級）→テイラー判定勝ち
第5試合：デニス・シヴァー vs. デイル・ハート（ライト級）→ シヴァーチョークスリーパー勝ち
第6試合：テリー・エティム vs. ジャスティン・バックホルツ（ライト級）→ エティムアナコンダチョーク勝ち

メインカード

第7試合：ダン・ハーディー vs. マーカス・デイヴィス（ウェルター級）→ ハーディー判定勝ち
第8試合：スペンサー・フィッシャー vs. 宇野薫（ライト級）→ フィッシャー判定勝ち
第9試合：マイク・スウィック vs. ベン・ソーンダース（ウェルター級）→ スウィックTKO勝ち
第10試合：ミルコ・クロコップ vs. ムスタファ・アルターク（ヘビー級）→ クロコップTKO勝ち
第11試合：ケイン・ヴェラスケス vs. シーク・コンゴ（ヘビー級）→ ヴェラスケス判定勝ち
第12試合：リッチ・フランクリン vs. ヴァンダレイ・シウバ（195ポンドキャッチウェイト）→ フランクリン判定勝ち

大会表彰

大会では、以下の選手が表彰され、それぞれ60,000ドルのボーナスを獲得しました。

ファイト・オブ・ザ・ナイト：リッチ・フランクリン vs. ヴァンダレイ・シウバ
ノックアウト・オブ・ザ・ナイト：マイク・スウィック
* サブミッション・オブ・ザ・ナイト：テリー・エティム

UFC 99は、ヨーロッパでのUFCの成功を象徴する大会となりました。この大会の成功は、後のUFCヨーロッパ大会の開催へとつながり、ヨーロッパにおけるMMA人気を大きく押し上げるきっかけとなりました。多くの選手にとって記憶に残る試合となり、UFCの歴史に刻まれた重要な大会と言えます。

もう一度検索