ULTRAMAN (映画)

映画『ULTRAMAN』の概要

2004年12月18日より全国松竹系映画館で公開された『ULTRAMAN』は、ウルトラシリーズにおける新たな挑戦の一環として制作された特撮映画です。この作品は、テレビシリーズ『ウルトラマン』の第1話を現代社会に置き換えたリメイクであり、『ウルトラマンネクサス』と同じ世界観を背景に持つ前史にあたります。キャッチコピーは「銀色の流星…舞い降りる」、「高度3万フィート! 6.5G! 極限の一戦!!」で、作品の期待感を高めるものでした。

劇中の設定と特徴

本作は、ウルトラマンの新たなデザインや映像表現に挑戦し、特に10メートル級の巨大なヒーローをCGで表現する試みがなされています。映像制作には、小中和哉監督や長谷川圭一脚本を含む平成ウルトラシリーズの主要スタッフが加わり、さらに新たなメンバーとして菊地雄一や板野一郎、松本孝弘なども参加しています。特にCGI技術が多用されており、クライマックスシーンでの空中戦は見どころの一つです。

また、防衛庁の全面協力を受け、F-15戦闘機のリアルな離陸シーンが盛り込まれています。空中戦を軸にした展開は、本作から後のウルトラシリーズ作品にも大きな影響を与えました。

製作の背景

『ULTRAMAN』の製作には、当初は『YELLOW EYES（警告）』というシリアスな内容が計画されていましたが、その後の社会情勢の影響で内容が調整され、より家族向けの映画として成立することに変わりました。このように家庭的な要素を取り入れながらも、リアルな怪獣災害を描く作品へと変化したのです。

ストーリー

物語は、青い発光体と接触した真木舜一が、ウルトラマン・ザ・ネクストに変身することで展開します。彼は、赤い発光体である「ザ・ワン」との戦いに巻き込まれながら、家族や仲間を守るために立ち向かう姿が描かれています。真木は航空自衛隊のパイロットとして空を飛ぶ職業を持ちながら、病気を抱えた息子のために戦う姿が印象的です。

主な登場人物

• - 真木 舜一（まき しゅんいち）: 主人公で、航空自衛隊のパイロット。家族を守るため、ウルトラマンに変身する。
• - 水原 沙羅（みずはら さら）: BCSTの監察官で、真木の監視を行う。
• - 有働 貴文（うどう たかふみ）: 海上自衛官で、ザ・ワンに支配される宿命を背負った人物。
• - 真木 蓉子（まき ようこ）: 真木の妻で、夫の仕事を心配しながらも支える存在。
• - 真木 継夢（まき つぐむ）: 真木の息子で、父親の背中を憧れつつ見つめる。

評価と影響

本作は商業的には期待に応えられず、興行収入は1億5000万円にとどまりました。続編の制作も計画されましたが、さまざまな要因で却下されることになりました。それでも、ウルトラシリーズの製作において新たな方向性を示した作品として位置づけられています。

最後に

『ULTRAMAN』は、特撮映画としての新たな試みやCG技術の活用など、数多くの見どころが詰まった作品です。家族の絆やヒーローの姿を描いたこの映画は、現代のウルトラシリーズに大きな影響を与え続けています。

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