UV-EPROM

UV-EPROM（紫外線消去型EPROM）について

UV-EPROM（Ultra-Violet Erasable Programmable Read Only Memory）は、データを紫外線で消去できる特別なメモリ技術です。このメモリは、ICパッケージの一部に設けられたガラス窓を通して紫外線が照射され、内部に記憶された情報をクリアすることが可能です。そのため、使用しない際はガラス窓にシールを貼ることで紫外線を遮断し、データを保持します。

この技術の初めての製品は、1972年にインテルから発表されたもので、その名は1702という型番です。1702はPMOS構造を持ち、256×8ビットの配列で24ピンのパッケージとして設計されていますが、他のUV-EPROM製品とはピン配置が異なります。当時の技術革新により、UV-EPROMの誕生は今後のデジタルデータ保存に大きな影響を与えました。

UV-EPROMの型番は、一般的にデータバス幅を表す8ビットの形式で、2732や2764のように「27」で始まり、続いて容量を示す数字が続きます。例えば、2732は32キロビットの容量を持つことを示しており、512キロビットまでのメモリもキロビット単位で表現されています。さらに、CMOS構造を持つUV-EPROM製品は、フラッシュメモリとの互換性がない型番が与えられます。具体的には、27C32、27C64、27C512のように「C」が挿入され、NMOS製品とは異なる書き込み条件を持っています。

UV-EPROMは一部のマイクロコントローラに内蔵されていたこともありますが、技術の進化により現在では多くの製品がフラッシュメモリに置き換えられています。これにより、UV-EPROMの多くのタイプは製造中止となりましたが、中古市場にはまだ流通在庫が豊富に残っており、特にデータの保存に依存するレガシー機器の保守などにおいては利用可能な状態です。

ただし、フラッシュメモリが主流となっている昨今、新規製品にUV-EPROMが採用されることは極めて稀であり、過去の設計や電子工作の一環として利用されることがほとんどです。興味深い点は、フラッシュメモリのデータ書き換えにはパソコンや専用アプリケーションが必要となるため、特定の現場ではUV-EPROMのように簡単にチップの抜き差しだけでプログラムを更新できるメモリの需要が存在することです。

まとめ

UV-EPROMは、紫外線によって消去可能なメモリ技術であり、特にレガシーシステムの維持や、特定の電子工作に利用されています。この製品の登場は、メモリ技術の歴史に多大な影響を与え、データ保存の選択肢を広げました。

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