Unforgettable

角松敏生による25作目のシングル「Unforgettable」は、1998年11月26日に発売されました。このシングルは、当時話題を集めていた日産自動車の新型ステージアのCMソングとして起用され、大きな注目を集めました。

シングルには、メイントラックとしてCMで使用された「Unforgettable」と、CM用にアレンジされた短いバージョンの「CM Edit」の2曲が収録されています。「Unforgettable」は、洗練されたサウンドと角松敏生特有のメロディーが魅力的な楽曲です。CMでは、スタイリッシュな映像と相まって、楽曲の世界観がより一層引き立てられていました。

後にリリースされたアルバム『TIME TUNNEL』にも「Unforgettable」が収録されていますが、シングルバージョンとは異なるアレンジが施されています。アルバムバージョンでは、リズムアレンジに変化が加えられ、より奥行きのあるサウンドに仕上がっている点が特徴です。アルバムではシークレットトラックとして収録され、アルバム全体を聴き終えたリスナーへの、特別なプレゼントのような存在感を放っています。

「CM Edit」は、イントロからAメロにかけてはアコースティックギターによるインストゥルメンタルとなっており、サビの部分のみボーカルが入り、CMの尺に合わせた短いバージョンとなっています。CMという限られた時間の中で、楽曲の重要な部分を効果的に提示する工夫が凝らされています。

「Unforgettable」は、角松敏生のシングル作品の中でも特に人気の高い楽曲の一つであり、現在でも多くのファンから愛されています。また、このシングルは、角松敏生が8cmCDというフォーマットでリリースした最後の作品という点でも、音楽史的な意味合いを持っています。8cmCDは、コンパクトで持ち運びやすいため、多くのファンに手軽に音楽を楽しんでもらうためのフォーマットとして人気がありましたが、時代と共にCDの主流が12cmCDへと移行していく中で、このシングルをもって8cmCDシングルは終焉を迎えることになりました。

「Unforgettable」は、角松敏生のキャリアの中でも重要な作品であり、その楽曲、そしてリリース形態の両面において、音楽史に名を刻む一曲と言えるでしょう。日産ステージアのCMという形で広く大衆に知られることとなり、その後のアルバムへの収録、そして8cmCDというフォーマットの終焉という歴史的側面も持つ、まさに角松敏生を代表する楽曲の一つとして記憶されています。

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