Upside-down (アルバム)

アルバム『Upside-down』の詳細

1978年9月5日にリリースされた『Upside-down』は、チューリップにとって9枚目のアルバムです。このアルバムは、前作に比べてより落ち着いたアレンジを持ち、主に「別れ」よりも「失恋」にフォーカスした楽曲が多く収められています。

アルバムのタイトルに合せて、一部の楽曲や歌詞カードには逆さまに印刷された文字や写真が見られます。ジャケットデザインもユニークで、逆さまにした酒の瓶が描かれ、その上に「PILUT」というチューリップの逆さ表記とメンバーの顔が印刷されています。また、各楽曲の担当楽器が詳細にクレジットされており、特に吉田の参加頻度が減少している点が目立ちます。このことから、バンド内の状況に不和の兆しが見え隠れしています。

収録楽曲

SIDE A

1. 心の糸
作詞・作曲：財津和夫
この楽曲は失恋に対する恨みを表現し、「殺しのテクニック」といった直接的な表現が悲しいメロディと共に用いられています。1987年には財津によってセルフカバーされています。

2. 火馬は馬鹿
作詞：財津和夫、作曲：姫野達也
曲名が回文となっており、歌詞中にも「逆さま」に関連する箇所があるなど、アルバムのテーマを反映しています。

3. 恋のドラキュラ
作詞・作曲：財津和夫
シングル『約束』のカップリング曲で、シンプルな編曲が特徴です。

4. 私の悪いくせ
作詞・作曲：財津和夫
この曲も財津の内面的な苦悩を表現しています。

5. 青空
作詞・作曲：財津和夫
失恋の痛みをストレートに表現した楽曲です。

SIDE B

1. Upside-down
作詞・作曲：財津和夫
ビートルズの影響を受けたこの曲は、逆さまの世界をテーマにしています。

2. あなたへのパスポート
作詞：上田雅利、作曲：安部俊幸
双子ボーカルによる曲で、成田空港の歌詞も特徴的です。

3. 逆回転
作詞・作曲：財津和夫
録音時にクリエイティブなアプローチが取られ、複雑なコード進行が印象的です。

4. intermission
作曲：財津和夫
インストゥルメンタル曲で、タイトル通りの内容です。

5. エンゼルになろうとした男
作詞：上田雅利、作曲：安部俊幸
失恋が原因で命を落とした男の物語をポップに描いた楽曲です。

6. 約束
作詞・作曲：財津和夫
シングルカットされた曲ですが、オリジナルと異なるミックスが施されています。

■ クレジット
本アルバムは、多くのプロフェッショナルの手によって制作され、その内容はアルバムの特異なテーマとともに、バンドのメンバーの内面に潜む変化を静かに描写しています。アルバムに込められた感情は、聴く者に深い印象をもたらすことでしょう。この作品は、逆さまな視点からの音楽体験を提供し、聴く者に様々な思索を促す仕上がりとなっています。

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