V601N

V601N：日本初！テレビチューナー内蔵携帯電話

2000年代初頭、NECが製造し、ボーダフォン日本法人（現ソフトバンクモバイル）から発売されたPDC方式の携帯電話、V601N。この機種の最大の特徴は、日本で初めて地上アナログテレビジョンチューナーを搭載していた点です。当時としては画期的な機能で、携帯電話で手軽にテレビ番組を楽しめる画期的な端末として注目を集めました。

上位機種としての魅力と時代の制約

V601Nは、同社のJ-N51をベースに開発されたV6シリーズのハイエンドモデルです。アルミ素材を贅沢に使用した高級感のあるデザインが特徴で、TV視聴機能に加え、ビデオやDVD、カラオケリモコン機能なども搭載。さらに40和音着信メロディーにも対応していました。カメラは31万画素と、現在の高画質カメラと比べると解像度は低いものの、当時としては十分な性能でした。カメラレンズ周りに配置されたLED照明も特徴的です。

しかし、SDカード非対応や10万アプリ程度というアプリ数の少なさなど、J-N51からの改良が不十分な部分も見られました。当時の技術水準を考えると、どうしても限界があったと言えるでしょう。

現代の携帯電話との比較：サブディスプレイの優位性

V601Nは、J-N51と同様に1.2インチ（120×80ドット）65,536色の高輝度TFT液晶サブディスプレイを搭載していました。壁紙やカレンダー表示などの機能も備え、現代の携帯電話では省電力化や小型化のために簡略化または省略されているサブディスプレイと比較して、情報表示能力においては優れていました。

拡張性と利便性

V601Nは、モノラル音声入力ケーブルを使用することで、ビデオ機器だけでなく、スーパーファミコンやプレイステーションなどのゲーム機の映像・音声を外部出力することも可能でした。この機能は、当時のゲーム機愛好家にとって大きな魅力だったでしょう。

テレビ視聴機能の実態

V601Nは連続60分のテレビ視聴を謳っていましたが、実際には約30分で本体が高温になり、バッテリー残量が著しく減少しました。これは、当時の技術力の限界を示すものでしょう。また、60分と30分のオフタイマーから強制的に選択する必要があった点も、使い勝手の面ではやや不便でした。

個人情報とサービス終了

当時、個人情報記録カードが普及していなかったため、V601Nでは機種変更時にショップでデータ移行を行うシステムでした。そのため、解約後もTV視聴機能は使用可能でした。これは、現在の携帯電話と大きく異なる点です。2010年3月31日のPDCサービス終了、2011年7月24日（東北地方太平洋沖地震被災地は2012年3月31日）のアナログテレビ放送終了により、V601Nは完全に役目を終えました。

まとめ

V601Nは、日本初となる地上アナログテレビチューナー内蔵携帯電話として、携帯電話の歴史において重要な位置を占める機種です。アルミ装飾による高級感、豊富な機能、そして現代では見られない独自の拡張性など、多くの魅力を持っていました。一方で、現代の視点から見ると、技術的な制約による短所も見られます。しかし、この機種は、技術革新の過程と、時代の変化を象徴する存在として、今後も記憶されることでしょう。

付属品

電池パック
卓上ホルダー
急速充電器（V601N専用品）
TVアンテナ付きステレオイヤホンマイク
ライン入力ケーブル
接写deレンズ

カラーバリエーション

ポーラホワイト
カーマインレッド
* スチールブラック

もう一度検索