VOICEPEAK

VOICEPEAK（ボイスピーク）は、株式会社Dreamtonicsと株式会社AHSが共同で開発した、テキスト読み上げ用の音声合成ソフトウェアです。略称として「ボイスピ」とも呼ばれています。

概要

AHSはこれまで、VOICEROIDシリーズや一部のCeVIOシリーズといった音声合成ソフトを販売してきましたが、VOICEPEAKのリリース以降は、このソフトを中心にライブラリ展開を進めています。対応OSはWindows、Mac、Linuxと幅広く、多くのユーザーが利用可能です。

音声合成エンジンには、Dreamtonicsが開発した「Syllaflow」が採用されています。このエンジンはAIを活用し、文章の内容を分析して速度や抑揚を自動的に調整することで、より自然な読み上げを実現しています。AHSは、ソフトの仕様やデザインなどの開発を担当しています。

特に、「商用可能 6ナレーターセット」は、幅広い用途に対応可能なユーザーインターフェースなどが評価され、2022年度のグッドデザイン賞を受賞しました。このセットは、2022年2月17日に発表され、同年3月11日に発売されました。

従来の音声合成ソフトでは、商用利用の際に高額なライセンス料が必要になることが一般的でしたが、VOICEPEAKの商用可能製品シリーズでは、追加のライセンス料なしで商用利用が可能です。このため、企業や団体による場内アナウンスや動画のナレーションなど、様々な場面で活用されています。ただし、キャラクターシリーズ製品については、商用・業務利用には別途ライセンスが必要となる場合や、商用利用自体が禁止されている場合もあるため注意が必要です。

2022年11月17日には、キャラクターシリーズの4製品が発表されました。当初は12月15日の発売予定でしたが、延期を経て翌年1月13日に発売されました。キャラクターシリーズには、AHS以外の版権元を持つ製品も含まれています。当初はAHSが販売する製品のみでしたが、2023年下半期にはサードパーティからもキャラクター製品が発売されるなど、そのラインナップは広がりを見せています。

機能

VOICEPEAKでは、セリフごとに読み上げ速度、ピッチ（声の高さ）、ポーズ（文末や句読点における間の長さ）、音量を調整できます。さらに、アクセント、イントネーション、各文字の読み上げ時間も細かく設定可能です。また、複数のナレーターによる掛け合い演出や、プロジェクトの保存も可能です。

ナレーターごとに異なる感情表現（喜び、楽しみ、怒り、悲しみなど）が用意されており、セリフごとに複数の感情表現の強さを調整できます。これにより、より豊かな表現が可能です。

出力音声ファイルはWAVE形式またはFLAC形式でエクスポートできます。また、単語の辞書登録機能も搭載されており、ユーザーは自分好みにカスタマイズできます。

製品一覧

商用可能製品シリーズ

「商用可能 6ナレーターセット」には、男性3名、女性3名、女の子1名の計7つの音源が収録されています。このセットに加え、商用可能なナレーターシリーズが順次発売されています。すべての音源には、「幸せ」「楽しみ」「怒り」「悲しみ」の4つの感情パラメーターが搭載されています。商用・業務用途での利用が可能で、6ナレーターセットには無料体験版も提供されています。

キャラクター製品シリーズ

キャラクター製品シリーズは、製品ライセンスとは別に「個人向け商用ライセンス」または「法人ライセンス」を購入することで商用利用が可能になります。ただし、製品によってライセンス範囲は異なり、「東北ずん子」や「京町セイカ」のように商用利用が不可の製品もあります。KAMITSUBAKI STUDIOの製品に関しては、商用・法人ライセンスの販売はなく、別途ガイドラインが設定されているため、利用の際には注意が必要です。

注釈

脚注

関連項目

VOICEROID - AHSが販売する音声合成ソフトウェア
Synthesizer V - Dreamtonicsが開発、一部製品をAHSが販売する歌声合成ソフトウェア

外部リンク

* VOICEPEAKの製品情報

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