VALU

VALU（バリュー）とは

VALU（バリュー）は、日本の株式会社VALUが提供していたフィンテックサービスで、個人が擬似的な株式（VA）を発行し、売買を行う環境を提供していました。このサービスは2017年5月にβ版がスタートし、2020年3月末には終了しました。

概要

VALUの名称は、「VALUE（価値）」と「YOU（あなた）」の組み合わせに由来しています。利用者は自身の価値を「VA」として提示でき、発行したVAは自由に取引できるシステムでした。すべての取引はビットコインを用いて行い、日本語と英語で対応していました。取引時間は9時から21時までで、開始当初の2017年7月にはおよそ12,000人のVA発行者が存在すると報道されていました。

開発の背景

このサービスを立ち上げたのは、代表取締役の小川晃平氏です。彼は2011年にソーシャルメディア企業グリーに入社し、翌年にはシリコンバレーでサーバーエンジニアとしての経験を積みました。その後フリーランスとして働く中で、新規事業の立ち上げに携わるものの、資金不足に直面して事業拡大が難しい状況にありました。この経験が、大きな転機となるビットコインとの出会いにつながったのです。

また、開発に関与していた中村洋基氏は、取得したビットコインの技術を使うことで新しい通貨を発行できることに気づき、共にアイデアを出し合っていく中で、個人が資金を調達する新しい方法を模索しました。2016年11月には株式会社VALUとして正式に設立し、堀江貴文氏や家入一真氏が出資者として関与しました。

技術的側面とサービスの特性

VALUは、カウンターパーティーというビットコインの機能を利用して独自の通貨を発行し、この通貨を通じて自由な取引を行うことができました。この仕組みにより、個人が株式会社のような形で行動できると同時に、さまざまな価値を創造することが可能となりました。

開発においては、クローズドベータテストを重ねながら、金融庁との関係を強化し、法律面の問題に目を光らせていました。その結果、リリース後は多くの利用者に支持されました。

サービスの終了

しかし、2019年5月に改正された資金決済法に対する対応が非常に難しく、最終的には2020年3月末にサービス終了を余儀なくされました。このため、VALUは短期間ではありましたが、個人が価値を発信し、新たな形の資金調達を可能にする試みとして注目されたサービスでした。

まとめ

VALUは革新的なコンセプトを持ちつつも、法律的な壁に直面しながらも、個人が価値を可視化できるプラットフォームを提供していました。今後のフィンテック業界において、類似の試みがどのように進展していくのか、目が離せない状況が続くでしょう。

もう一度検索