Vestige -ヴェスティージ-

T.M.Revolution「vestige -ヴェスティージ-」

T.M.Revolutionの21枚目のシングル「vestige -ヴェスティージ-」は、2005年8月17日にエピックレコードよりリリースされました。この楽曲は、彼の9thシングル「THUNDERBIRD」以来7年ぶりのバラードであり、タイトルの「vestige」は英語で「傷痕」を意味します。楽曲を通じて、「傷は治ってもずっと痕が残る」というメッセージが込められており、人間の業や感情に関する深い洞察を描いています。

このシングルは、オリコンで累計売上17.7万枚を記録し、二作連続で1位を獲得する成功を収めました。特に、タイトル曲「vestige -ヴェスティージ-」は、人気アニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の挿入歌として使用され、作品の内容に強くリンクしています。また、総集編の『FINAL-PLUS 選ばれた未来（あした）』や、HDリマスター版の第4期オープニングテーマとしても配信されました。

『SEED DESTINY』の監督である福田己津央は、この曲について非常に興味深いエピソードを持っています。彼は、前作『SEED』の挿入歌「Meteor -ミーティア-」のような作品を再び作りたく、そのために「キラ・ヤマト」のテーマを考えたと述べています。しかし、完成した楽曲を聴いた際、キラだけでなくガンダムSEEDの全てのキャラクターの思いが表現されていることに驚いたそうです。実際には、キラの登場シーンでもこの曲が使用され、特に初陣回に際してストライクフリーダムガンダムのシーンでの感動的な挿入歌となりました。

シングルのカップリング曲「crosswise」は、カプコンのPlayStation 2用ゲームソフト『戦国BASARA』及び『戦国BASARA X』の主題歌として採用されており、ゲームファンからも支持を受けました。PVもストーリー性を持ち、その映像は『T.M.R.LIVE REVOLUTION'06 -UNDER:COVER-』ツアーにおいて新たに制作されたもので、明治神宮外苑聖徳記念絵画館にて撮影されています。

初回特典としては、ステッカーが用意されており、さらにファンからのリクエストによるセルフカバーアルバム『UNDER:COVER』への投票が実施され、4万件以上の応募がありました。楽曲の作詞は井上秋緒が手掛け、作曲・編曲は浅倉大介が担当しています。

このように、「vestige -ヴェスティージ-」は、ただのシングルではなく、深いメッセージと共に多くのファンに愛される作品に仕上がっています。音楽、アニメ、さらにはファンとのインタラクションが一体となって展開されており、T.M.Revolutionのキャリアの中でも特異な位置を占めています。

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