Vidro

vidro（ビードロ）は、徳吉雄介氏によって開発されたフリーのグローバルイルミネーションレンダラです。主に3DCGモデリングソフトであるMetasequoiaで作成されたモデルデータのレンダリングに用いられていました。

概要

vidroの主な機能は、グローバルイルミネーションを用いたフォトリアルなレンダリングです。しかし、それだけでなく、ノンフォトリアルな表現を可能にする機能も搭載されていました。特に特徴的な機能として、拡散反射率が1を超える、つまり現実には存在しないような材質設定が可能でした。また、「Jump」（当初は「Wormhole」と呼ばれていました）という独自の機能を使うことで、複数のシーンをまるでどこでもドアのように繋ぐこともできました。さらに、ティルトレンズや斜投影にも対応しており、多様な表現を可能にしていました。

対応ファイル形式は、FBX, MQO, LWO, 3DS, OBJ, DXFなどがあり、これらのファイルを直接読み込んでレンダリングすることができました。特に、Metasequoiaとの親和性が高く、よく連携して利用されていました。しかし、材質などの詳細な情報を記述した独自形式のシーンファイル（VDR形式）を使用することが一般的でした。近年ではメニューからの材質編集が可能になりましたが、オブジェクトの配置や照明設定は、事前にシーンファイルに記述しておく必要がありました。MechaStudioというソフトウェアは標準でvidroとの連携に対応しており、効率的なワークフローを構築することができました。

vidroは頻繁に更新されていたことも特徴の一つです。バージョン名は公開した日付を基準としていましたが、必ずしもバージョンの数字と公開日が一致するわけではなく、更新が多い時には翌日以降のバージョン名になることもありました。

開発者の徳吉雄介氏は、2010年7月にスクウェア・エニックスへと転職しました。それに伴い、vidroの開発は第100630版（2010年6月30日版）を最後に終了しました。

特徴

グローバルイルミネーション: フォトリアルなレンダリングを実現する主要な機能。
ノンフォトリアル表現: 多様な表現を可能にする機能も搭載。
独自の材質設定: 拡散反射率が1を超えるなど、現実にはない材質を再現可能。
Jump機能: 複数のシーンを繋ぐことができる、独自の機能。
多様なカメラ設定: ティルトレンズや斜投影に対応。
豊富なファイル形式: FBX, MQO, LWO, 3DS, OBJ, DXFなどの形式に対応。
VDR形式: 材質などの情報を記述した独自形式のシーンファイル。
MechaStudio連携: 標準で連携に対応しており、効率的なワークフローを実現。
頻繁な更新: 開発期間中は頻繁にバージョンアップが実施された。

関連事項

コンピュータグラフィックス: vidroはコンピュータグラフィックスの分野で利用されるソフトウェアです。
レイトレーシング: グローバルイルミネーションを実現するためにレイトレーシングの技術が用いられています。

外部リンク

vidro - global illumination renderer - 公式サイト

出典

* (必要に応じて出典を記載してください)

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