Metasequoia
Metasequoia（メタセコイア）は、株式会社テトラフェイスが開発・販売しているWindowsおよびmacOS用の3DCGソフトウェアです。略称はメタセコまたはmetaseqとして知られています。
1999年5月に初版がリリースされて以来、O.Mizno（水野修）氏が個人で開発とサポートを行っていましたが、2012年5月に法人化の準備を開始し、同年9月に株式会社テトラフェイスが設立されました。Metasequoia上の表記も、2012年10月公開のVer3.1 Beta7から法人名に変更されました。ただし、公式ブログでは「法人化しても開発や販売体制は実質的に変わらない」と説明されています。
Metasequoiaは、ポリゴンメッシュによる3Dモデルの作成に特化した3DCGモデラーです。直感的でわかりやすい操作性、モデラーとしての機能性、扱いやすさ、そして入手のしやすさから、日本国内で非常に人気があります。データの可搬性を重視しており、さまざまなファイル形式での入出力が可能です。低価格であるため、趣味で利用する個人ユーザーが多い一方で、プロの制作現場でも使用されています。採用時にMetasequoiaの使用経験を認める企業も存在します。
Metasequoia 4.3でボーン、4.5でモーフ、4.8でパストレーシングによる物理ベースレンダリングに標準対応するなど、これまでプラグインや他の統合ソフトと連携しなければ実現できなかった高度な機能も実装され始めています。なお、Metasequoia自体は初版からC++ Builderで開発されています。
Metasequoia 4.7以降では、MQOZ形式が標準形式となっています。この形式は、モデルデータを含むMQO形式と、ボーンやモーフデータを含むMQX形式をZIP形式でまとめたものです。4.7より前は、MQO形式とMQX形式が個別に保存されていました。
過去には以下の外部ビューアが利用されていました。
mini mqo Viewer (mmViewer)
BCView
CelsView
開発者向けにC++用プラグインSDKが公開されており、シェアウェア版では外部開発者によるプラグインを利用できます。32bit版のプラグインは64bit版のアプリケーションでは使用できませんし、その逆も同様です。プラグインのインターフェースは基本的に後方互換性を持っているため、古いバージョンのSDKで作成されたプラグインでも、新しいバージョンのMetasequoiaで使用できます。ただし、Metasequoia 3.x以前は64bit版が存在しなかったり、多角形ポリゴン（NGon）に未対応であったため、3.x以前のプラグインにはその制限が引き継がれています。
また、組み込みマクロ言語としてPythonを採用しており、簡単なバッチ処理などはプラグインを作成せずにPythonスクリプトで素早く実現できます。Ver4.6.9時点でPython 3.6.7に対応しており、各種モジュールを使用するには、それぞれ対応する日本語版Windows用Pythonを別途インストールする必要があります。
Metasequoiaには、パストレーシングによる物理ベースレンダリング機能が搭載されています（Ver4.8以降）。また、旧来のスキャンラインやレイトレーシング（Ver4.0以降）も利用できます。
RenderMan: ピクサーが提供する非商用無料のレンダラー。Metasequoia 4.5以降に連携機能が内蔵されています。
過去には以下の外部レンダラーが使われていました。
vidro
Parthenon Renderer
Warabi MP
PO[[V-Ray]] (MetaMegaを通じて使用可能)
YafaRay (MetaSceneを通じて使用可能)
Lightflow (Metalight2やMATSpiderを通じて使用可能)
Redqueen (rrtdlgMQプラグインを通して使用可能)
LuxCoreRender (テトラフェイスによるテスト版プラグインが提供されていました)
Metasequoiaは、長らくボーンやモーフなどのキャラクターアニメーション向け機能を搭載していませんでした。アントラッドがMetasequoia向けキャラクターアニメーションツールMikotoをリリースしましたが、2003年のMikoto 0.4fを最後に更新は停止されました。その後、mqdlがMikotoの後継としてMetasequoia用のキャラクターアニメーションプラグインKeynoteをリリースしました。
2008年に樋口優氏がキャラクターアニメーションソフトウェアMikuMikuDance (MMD)をリリースすると、MMD用モデルの製作にMetasequoiaとPMDエディタ/PMXエディタの組み合わせが使われるようになりました。2011年にMMDの開発が終了した後は、MMDのクローンソフトウェアが多数登場しました。
その後、Metasequoiaはバージョン4.xでボーンやモーフに直接対応し、MMD用のテンプレートも付属するようになりました。
現行: MikuMikuDance (Metasequoia 4.xでPMD形式のエクスポートに対応)
過去 (4.6.x以前): Vixer Motion / Vixar TransMotion
過去 (3.x以前): Mikoto, エルフレイナ, MechaStudio/ToyStudio
1999年5月10日: Metasequoia Ver1.0
2000年5月3日: Metasequoia LE Ver2.0
2000年5月4日: Metasequoia Ver2.0
2000年10月17日: Metasequoia Ver2.1.0
2001年7月22日: Metasequoia Ver2.2.0
2003年10月11日: Metasequoia Ver2.3.0
2006年7月25日: Metasequoia Ver2.4.0
2012年4月29日: Metasequoia Ver3.0.0
2012年10月25日: Metasequoia Ver3.1.0
2013年9月30日: Metasequoia 4
2014年1月24日: Metasequoia 4.1.0
2014年1月29日: Metasequoia 3.1.6（バージョン3系最後のリリース）
2014年6月4日: Metasequoia 4.2.0
2014年9月30日: Metasequoia 4.3.0
2015年2月13日: Metasequoia 4.4.0
2015年7月8日: Metasequoia 4.5.0
2016年3月28日: Metasequoia 4.5.5（macOS版の初リリース）
2017年08月21日: Metasequoia 4.6.0
2019年04月24日: Metasequoia 4.7.0
2021年10月19日: Metasequoia 4.8.0
2004年7月には、Metasequoiaに収録するサンプル用モデルデータを募集するためのモデルコンテスト2004が開催されました。応募期間は1ヶ月と短く、MQOファイルとテクスチャファイルを圧縮して1MB以内にするなどの制約がありましたが、40件近い応募がありました。現在Metasequoiaに収録されているサンプルモデルのうち、日本橋麒麟像(NihonbasiKirin)、Tank、魔道少女(witch)、violin、meka、kameの6つは、このコンテストの最優秀賞および入賞作品です。なお、このモデルコンテストは2023年現在、この1回のみの開催です。
過去 (4.6.x以前): コミPo!
過去 (3.x以前): imocea (旧Rios)
モデラー
* ニコニ立体：mqo形式の投稿に対応しており、ビュアーで鑑賞可能
metaseq.net - 公式サイト
私家版 Metasequoia用プラグインリンク集
歴史と開発
1999年5月に初版がリリースされて以来、O.Mizno（水野修）氏が個人で開発とサポートを行っていましたが、2012年5月に法人化の準備を開始し、同年9月に株式会社テトラフェイスが設立されました。Metasequoia上の表記も、2012年10月公開のVer3.1 Beta7から法人名に変更されました。ただし、公式ブログでは「法人化しても開発や販売体制は実質的に変わらない」と説明されています。
概要
Metasequoiaは、ポリゴンメッシュによる3Dモデルの作成に特化した3DCGモデラーです。直感的でわかりやすい操作性、モデラーとしての機能性、扱いやすさ、そして入手のしやすさから、日本国内で非常に人気があります。データの可搬性を重視しており、さまざまなファイル形式での入出力が可能です。低価格であるため、趣味で利用する個人ユーザーが多い一方で、プロの制作現場でも使用されています。採用時にMetasequoiaの使用経験を認める企業も存在します。
Metasequoia 4.3でボーン、4.5でモーフ、4.8でパストレーシングによる物理ベースレンダリングに標準対応するなど、これまでプラグインや他の統合ソフトと連携しなければ実現できなかった高度な機能も実装され始めています。なお、Metasequoia自体は初版からC++ Builderで開発されています。
ファイル形式
Metasequoia 4.7以降では、MQOZ形式が標準形式となっています。この形式は、モデルデータを含むMQO形式と、ボーンやモーフデータを含むMQX形式をZIP形式でまとめたものです。4.7より前は、MQO形式とMQX形式が個別に保存されていました。
外部ビューア
過去には以下の外部ビューアが利用されていました。
mini mqo Viewer (mmViewer)
BCView
CelsView
プラグイン/スクリプト
開発者向けにC++用プラグインSDKが公開されており、シェアウェア版では外部開発者によるプラグインを利用できます。32bit版のプラグインは64bit版のアプリケーションでは使用できませんし、その逆も同様です。プラグインのインターフェースは基本的に後方互換性を持っているため、古いバージョンのSDKで作成されたプラグインでも、新しいバージョンのMetasequoiaで使用できます。ただし、Metasequoia 3.x以前は64bit版が存在しなかったり、多角形ポリゴン（NGon）に未対応であったため、3.x以前のプラグインにはその制限が引き継がれています。
また、組み込みマクロ言語としてPythonを採用しており、簡単なバッチ処理などはプラグインを作成せずにPythonスクリプトで素早く実現できます。Ver4.6.9時点でPython 3.6.7に対応しており、各種モジュールを使用するには、それぞれ対応する日本語版Windows用Pythonを別途インストールする必要があります。
レンダリング
Metasequoiaには、パストレーシングによる物理ベースレンダリング機能が搭載されています（Ver4.8以降）。また、旧来のスキャンラインやレイトレーシング（Ver4.0以降）も利用できます。
外部レンダラー
RenderMan: ピクサーが提供する非商用無料のレンダラー。Metasequoia 4.5以降に連携機能が内蔵されています。
過去には以下の外部レンダラーが使われていました。
vidro
Parthenon Renderer
Warabi MP
PO[[V-Ray]] (MetaMegaを通じて使用可能)
YafaRay (MetaSceneを通じて使用可能)
Lightflow (Metalight2やMATSpiderを通じて使用可能)
Redqueen (rrtdlgMQプラグインを通して使用可能)
LuxCoreRender (テトラフェイスによるテスト版プラグインが提供されていました)
キャラクターアニメーション
Metasequoiaは、長らくボーンやモーフなどのキャラクターアニメーション向け機能を搭載していませんでした。アントラッドがMetasequoia向けキャラクターアニメーションツールMikotoをリリースしましたが、2003年のMikoto 0.4fを最後に更新は停止されました。その後、mqdlがMikotoの後継としてMetasequoia用のキャラクターアニメーションプラグインKeynoteをリリースしました。
2008年に樋口優氏がキャラクターアニメーションソフトウェアMikuMikuDance (MMD)をリリースすると、MMD用モデルの製作にMetasequoiaとPMDエディタ/PMXエディタの組み合わせが使われるようになりました。2011年にMMDの開発が終了した後は、MMDのクローンソフトウェアが多数登場しました。
その後、Metasequoiaはバージョン4.xでボーンやモーフに直接対応し、MMD用のテンプレートも付属するようになりました。
外部アニメーションソフトウェア
現行: MikuMikuDance (Metasequoia 4.xでPMD形式のエクスポートに対応)
過去 (4.6.x以前): Vixer Motion / Vixar TransMotion
過去 (3.x以前): Mikoto, エルフレイナ, MechaStudio/ToyStudio
バージョン変遷
1999年5月10日: Metasequoia Ver1.0
2000年5月3日: Metasequoia LE Ver2.0
2000年5月4日: Metasequoia Ver2.0
2000年10月17日: Metasequoia Ver2.1.0
2001年7月22日: Metasequoia Ver2.2.0
2003年10月11日: Metasequoia Ver2.3.0
2006年7月25日: Metasequoia Ver2.4.0
2012年4月29日: Metasequoia Ver3.0.0
2012年10月25日: Metasequoia Ver3.1.0
2013年9月30日: Metasequoia 4
2014年1月24日: Metasequoia 4.1.0
2014年1月29日: Metasequoia 3.1.6（バージョン3系最後のリリース）
2014年6月4日: Metasequoia 4.2.0
2014年9月30日: Metasequoia 4.3.0
2015年2月13日: Metasequoia 4.4.0
2015年7月8日: Metasequoia 4.5.0
2016年3月28日: Metasequoia 4.5.5（macOS版の初リリース）
2017年08月21日: Metasequoia 4.6.0
2019年04月24日: Metasequoia 4.7.0
2021年10月19日: Metasequoia 4.8.0
モデルコンテスト
2004年7月には、Metasequoiaに収録するサンプル用モデルデータを募集するためのモデルコンテスト2004が開催されました。応募期間は1ヶ月と短く、MQOファイルとテクスチャファイルを圧縮して1MB以内にするなどの制約がありましたが、40件近い応募がありました。現在Metasequoiaに収録されているサンプルモデルのうち、日本橋麒麟像(NihonbasiKirin)、Tank、魔道少女(witch)、violin、meka、kameの6つは、このコンテストの最優秀賞および入賞作品です。なお、このモデルコンテストは2023年現在、この1回のみの開催です。
関連ソフトウェア
過去 (4.6.x以前): コミPo!
過去 (3.x以前): imocea (旧Rios)
関連項目
モデラー
* ニコニ立体：mqo形式の投稿に対応しており、ビュアーで鑑賞可能
出典
metaseq.net - 公式サイト
私家版 Metasequoia用プラグインリンク集
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