Vijandeux

Vijandeux（ビジャンドゥ）は、2006年に結成された日本の音楽ユニットです。ジャマイカにルーツを持つWillie（ウィリー）と、日本人ミュージシャンのNori（ノリ）という異色の組み合わせから生まれました。彼らは「“J-POP”（“J”はジャパンの“J”とジャマイカの“J”）」という独自のテーマを掲げ、音楽を通じて人々に笑顔を届けることを活動の軸としていました。

ユニット名である「Vijandeux」には、メンバー二人が共に描く「未来のビジョン」と、Willieが持つ二つの文化的な背景が融合する様が込められています。これは、彼らの音楽性が単なるJ-POPにとどまらず、ジャマイカ音楽のエッセンスを取り入れた、多様な魅力を持つものであることを示唆しています。

メンバーは、ボーカルを担当するWillieと、ギターとコーラスを務めるNoriで構成されています。Willieは千葉県柏市出身で、ジャマイカ人ミュージシャンの父と日本人の母の間に生まれました。有名なレゲエアーティスト、ビーニ・マンを親戚に持つという音楽的な血筋を持ちながら、身体能力にも優れ、柏レイソルのユースチームでサッカーの全国大会優勝経験を持つ異色の経歴の持ち主です。ライブステージでのバク宙は彼の名物パフォーマンスの一つでした。自身のつらい幼少期を音楽に救われた経験から、リスナーにハッピーなヴァイブスを届けたいという強い思いを音楽活動の原動力としていました。

一方、ギター・コーラスのNoriもWillieと同じく千葉県柏市の出身です。琴奏者である母親の影響で弦楽器に興味を持ち、エレキギターを手にしました。高校卒業後は音楽の可能性を追求するためイギリスへの留学も経験しますが、すぐにはチャンスに恵まれず一度は就職します。しかし、2006年にWillieと再会したことで音楽への情熱が再燃し、Vijandeuxを結成するに至ります。元々はギターとボーカルを担当していましたが、このユニットでは主にギター演奏と楽曲のバックトラック制作に注力し、ライブではWillieの歌声に寄り添うギターとコーラスでサウンドを支えました。

彼らの来歴を見ると、2006年の結成後、2007年5月16日にはCCREからインディーズアルバム「通信SOUL」をリリースし、インディーズデビューを果たします。そして、着実に活動の幅を広げ、2009年5月27日にはソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズからシングル「ビューティフル・ネーム」（ゴダイゴのカバー曲）で満を持してメジャーデビューを飾りました。その後も精力的に作品を発表し、同年7月には2ndシングル「バーニン☆ダーリン～KOISEYO DANSHI～」、2010年3月には3rdシングル「KING OF 片想い」、同年7月には4thシングル「WAVE」をリリース。そして2010年8月には初のメジャーアルバムとなる「Vijandeux」を発表しました。

しかしながら、2011年にはレコード会社との契約を解消することとなります。彼らの活動は短期間ではありましたが、ジャマイカと日本の文化が交差するユニークな音楽性と、「スマイル」をテーマにしたポジティブなメッセージは、多くのリスナーに印象を残しました。特に、Willieの持つカリスマ性とNoriの確かな演奏力、そして二人のハーモニーは、彼らの音楽の大きな魅力でした。

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