Vimperator

Vimperatorは、Mozilla Firefoxをキーボードのみで操作できるようにする拡張機能です。テキストエディタVimのキーバインドをベースにしており、Vimに近い操作感を実現することを目指しています。

特徴

Vimperatorの最も大きな特徴は、マウスを使わずにブラウジングができる点です。特に、以下の3つの機能が強力です。

ヒントモード: ページ内のリンクやボタンなどをキーボードで選択できます。
コマンドラインモード: Vimのようにコマンドを入力して操作できます。
ヘルプ機能: 豊富なヘルプページで操作方法を確認できます。

ヒントモード

ヒントモードでは、ウェブページ上のクリック可能な要素（リンク、ボタン、チェックボックスなど）に数字が割り振られます。ユーザーは、その数字をキーボードから入力することで、要素を選択できます。また、ヒントモードの種類によって、クリック、フォーカス、URLコピーなどのアクションを切り替えることができます。

この機能は、元々別の拡張機能であった「Hit-a-Hint」に由来しますが、Vimperatorの開発時に取り込まれ、大幅な改良が加えられました。これにより、アクションの切り替えや、リンクが多いページでの動作速度が向上しました。

コマンドラインモード

Vimperatorのほとんどの機能は、ウィンドウ下部に表示されるVim風のコマンドラインから利用できます。コマンドは、Vimと同様に「:」（コロン）から始まり、:を入力するとコマンドラインモードに移行します。コマンドラインでは、様々な操作を実行できます。

補完機能

Vimperatorには、強力な自動補完機能があります。例えば、「新しいタブで開く」機能（通常「t」で起動）では、ローカルのブックマーク、Googleサジェストなどを元にした補完候補が表示されます。補完候補はTabキーで移動でき、ブックマークサイドバーを使わずにブックマークを検索・閲覧することも可能です。

ヘルプ

Vimperatorには、豊富なヘルプ機能が用意されています。「help」（または「h」）コマンドを実行することで、Vimperatorで利用可能なすべてのコマンド操作が掲載されたヘルプページを表示できます。Vim系のツールにありがちな「操作に慣れるまでが長い」という欠点を緩和するのに役立ちます。

JavaScriptによる拡張

Vimperatorは、JavaScriptファイルを追加することで機能を拡張できます。多くの拡張機能が公開されており、Vimperatorの機能をフル活用するには、拡張機能の導入が欠かせないと言われるほどです。

vimperatorrcによる拡張

設定ファイルである「.vimperatorrc」（Windowsの場合は「vimperatorrc」）を編集することで、Vimperatorの動作を細かくカスタマイズできます。例えば、キーバインドの変更、移動量の調整、コマンドモードへの移行キーの変更などが可能です。これはVimにおける「.vimrc」に相当するものです。

Pentadactyl

Vimperatorの開発方針に対し、一部の開発者がフォークして開発を始めたのがPentadactylです。Vimperatorが機能のシンプルさと安定性を重視するのに対し、PentadactylはVimの機能をより多く取り入れ、高度なカスタマイズを可能にすることを目指しています。

Pentadactylでは、コマンドの改善、バグフィックス、起動の高速化が進められ、より複雑な設定を可能にする構文も追加されました。しかし、外見上はVimperatorと大きな違いはありません。

参照

関連項目:
Conkeror – Emacs風のキーバインドを持つブラウザ
Firefox拡張機能の一覧
外部リンク:
Vimperator's home page'>Vimperatorの公式サイト
Vimperator's mozilla.org add-on page'>Vimperatorのmozilla.orgアドオンページ
Vimpr'>Vimpr
Vim keybindings'>Linux.com: Vimのキーバインドを使ったFirefoxの操作
Lifehacker.com: FirefoxでVim風の操作を実現

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