W・アルリ・パンジャリ自然公園群

W・アルリ・パンジャリ自然公園群について

W・アルリ・パンジャリ自然公園群は、ニジェール、ベナン、ブルキナファソという三カ国にまたがる広大な自然保護区で、ユネスコの世界遺産リストに登録されています。西アフリカの貴重な生態系と、その多様な生物種を誇るこの地域は、普遍的な価値を持つことから、保護の必要性が認識されています。

登録の経緯

この公園群の根幹をなすW国立公園は、1954年にフランス領西アフリカの一部として設立されました。公園の名称「W」は、ニジェール川がこの地域でW字に湾曲していることに由来しています。この公園は、ニジェール、ベナン、ブルキナファソの各国によってそれぞれ管理されています。1996年には、W国立公園が初めて「ニジェールのW国立公園」として世界遺産の登録を試みましたが、その顕著な価値が認められず、一度は登録が見送られました。

その後、21世紀に入ると、ベナンが自国のW国立公園の部分をパンジャリ国立公園と併せて新たに推薦しましたが、再度考慮が必要とのIUCNの勧告を受け、さらに時間が経過しました。2016年になって、W国立公園がさらなる拡大案件として再評価され、ついに登録が実現したのです。これにより、アフリカのこの地域における自然遺産としての認識が高まり、ベナン及びブルキナファソにとって初の自然世界遺産の獲得となりました。

自然の多様性

W・アルリ・パンジャリ自然公園群は、非常に多様な生物相を含んでいます。地域にはアフリカローズウッドやパルミラヤシなどの樹木が生い茂り、また、淡水や沿岸生態系が存在します。公園内には、ライオン、アフリカゾウ、ヒョウ、チーター、さらには絶滅の危機にあるマダラハゲワシなど、さまざまな動物が生息しています。

特に、これらの生物種は西アフリカでは希少であり、保護区としての役割が非常に重要です。また、アフリカ的な生態系の進化や多様性を示す稀有な場所でもあり、研究者や生態学者にとっても貴重なフィールドとなっています。

世界遺産としての価値

世界遺産委員会から評価されている2つの登録基準、即ち「生態系における重要な進行プロセスを示す」ことや「生物多様性の保全にとって重要な生息地を持つ」ことが、この地域の登録につながりました。特に、サバンナ生態系の連続性や多様性が評価され、他の地域では絶滅の危機にさらされている種が生息できる特異性が強調されています。

まとめ

W・アルリ・パンジャリ自然公園群は、西アフリカの生態系保護において重要な役割を果たしており、自然遺産としての登録により、その保護の重要性がさらに強調されています。今後もこの地域の生物多様性を守るための努力が続けられ、多くの人々にその魅力が伝わることを期待しています。

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