W・G・バグナル

W・G・バグナルについて

W・G・バグナル（W. G. Bagnall）は、1875年にウィリアム・ゴードン・バグナルによって設立されたイギリスの機関車製造会社です。会社はスタッフォードにあるキャッスル工場を拠点にしており、1962年にはイングリッシュ・エレクトリックによって買収され、事実上消滅しました。

主な製品と特長

バグナルの主な製品は、産業用の小型蒸気機関車です。特に、2動軸または3動軸の設計の機関車が多く、これらの多くは狭軌で使用されました。バグナルは、蒸気機関車だけでなく、ディーゼル機関車の製造も行っており、標準軌と狭軌の機関車の両方に携わっていることで知られています。

特に注目すべき点は、バグナルが蒸気機関車の弁装置に新たな技術を導入したことです。「バグナル&プライス式」や「バグレー式」と呼ばれるこれらの弁装置の革新は、その後の機関車設計に影響を与えました。また、バグナルの蒸気機関車は安価な狭軌機関車を主力としており、独特の設計特徴としてマリン形火室が採用されていました。これは、その機関車の燃焼効率を向上させる役割を果たしました。

他の企業との関係

バグナルは、「カー・ステュアート」の技師長であったドローツマンを雇用した際に、新たな設計技術を取り入れました。これにより、カー・ステュアートの設計要素がバグナルの機関車に反映されることとなり、シッティング＆ケムズレー軽鉄道などでその例を見かけることができます。

日本での利用

日本との関わりもあり、日本の国有鉄道がバグナル製の機関車を導入しました。特に、新橋工場用に購入された1両の機関車があり、これは後に鉄道院1形と名付けられました。この機関車は、軌間1,067mm（3フィート6インチ）の仕様です。また、国有鉄道は762mm（2フィート6インチ）軌間のケ97やケ98といった機関車も導入しています。

バグナルの機関車は小型のものが多く、合計で7形式14両が青梅鉄道や中遠鉄道、陸軍鉄道連隊などによって輸入されるなど、日本の軽便鉄道においても一定の存在感を示しました。それらの機関車のほとんどは、重量10トン以下の軽便鉄道用や産業用として利用されました。

現在の評価と保存

バグナルは、その関与した製品および技術革新により、今日でも機関車愛好家の間で高く評価されています。稀少なバグナル製の機関車が現在も運行されていることもあり、歴史的価値が認められています。鉄道関連のミュージアムやイベントでは、バグナルの機関車が時折展示されていることもあり、鉄道ファンを楽しませています。

バグナルの業績は、蒸気機関車設計の発展における一楽章として、今後も多くの人々に記憶されることでしょう。

もう一度検索