W25 (核弾頭)

W25核弾頭の詳細

W25はアメリカ合衆国によって開発された核弾頭であり、主に空対空ロケットであるAIR-2ジニーに搭載されることを目的としています。このロケットは冷戦期間中に、ソ連の爆撃機を確実に撃破するための空対空兵器として設計されました。当時の空対空誘導ミサイルの技術はまだ初期段階にあり、命中精度が不足していたため、敵機が核爆弾を搭載している可能性を考慮し、より効果的な手段として核弾頭の搭載が検討されたのです。

W25は、AIR-2ジニーにとっての標準的な弾頭であり、核出力は1.7キロトンです。設計上、時限信管を利用して敵機の近くで爆発することが想定されていました。これにより、爆撃機を効果的に撃墜することが狙いとなっています。W25にはmod 0とmod 1という2種類のサブタイプが存在し、基本的な外形は非常に似ていますが、仕様に若干の違いがあります。

具体的なサイズとしては、直径が17.35インチから17.4インチ（約441mmから442mm）、長さが25.7インチから26.6インチ（約650mmから680mm）、そして重量は218ポンドから221ポンド（約99kgから100kg）程度です。W25はブースト型の核分裂弾頭ではなく、インプロージョン方式を採用しています。この弾頭には、プルトニウムと濃縮ウランの複合した核物質が使用されています。

W25の生産は1957年から1960年にかけて行われ、総計で3,150発が製造されました。また、W25を搭載したAIR-2ジニーは、1964年から1984年にかけてカナダ空軍のCF-101戦闘機に配備され、アメリカ軍の管理下で運用されました。この時期の軍事技術の発展において、W25は核兵器としての役割を果たし、その後も長きにわたって冷戦の文脈で重要な位置を占めていました。

このように、W25とAIR-2ジニーは、冷戦時代における防空戦略の一環として重要な役割を果たし、多くの兵器の中でも特異な存在感を放っていたのです。その設計理念や実用性は、核兵器の運用方法が進化するにつれ、今でも研究や議論の対象となっています。

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