W31 (核弾頭)

W31核弾頭の詳細

W31は、アメリカ合衆国が設計・開発した核弾頭で、陸軍の各種ミサイルに搭載されることで知られています。この核弾頭は1958年から1961年の期間に生産され、その特異な設計と性能により、冷戦時代の核抑止力の一翼を担いました。具体的には、インプロージョン方式のブースト型核分裂兵器としての特性を持っており、主に高濃縮ウランを核物質として使用し、加えてトリチウムを活用することで核出力を高めています。

物理的特性

W31のサイズは直径28〜30インチ、長さ39インチ、そして重量は900〜945ポンドと、比較的小型の核弾頭と言えます。これにより、多様な兵器プラットフォームへの搭載が可能となりました。また、W31にはmod 0 Y1からmod 3 Y3までの異なるサブタイプが存在し、それぞれ異なる爆発力を持っています。具体的には、サブタイプによって1ktから40ktまでの核出力を発揮します。これにより、戦略的な柔軟性をもたらしました。

信管の種類

W31には、多様な信管が用意されており、触発信管、空中爆発信管、時限信管といった選択肢が存在します。これらの信管は、様々な戦術的状況において効果を最大限に引き出すために設計されています。

搭載兵器

W31は、具体的にいくつかの搭載兵器で使用されました。そのうちの一つが、MGR-1 オネスト・ジョンであり、1959年から1987年まで運用されました。このミサイルは1,650発生産され、その中にW31のMod 0 Y1（2kt）、Mod 0 Y2（40kt）、Mod 3 Y3（20kt）の各弾頭が搭載されています。

次に、MIM-14 ナイキ・ハーキュリーズ地対空ミサイルについても見逃せません。このミサイルは1958年から1989年まで運用され、2,550発が生産されました。これにもW31のMod 2 Y1（2kt）、Mod 2 Y2（40kt）の弾頭が搭載されています。

さらに、核爆破資材（ADM）もW31の影響を受けた兵器の一部です。アメリカ陸軍及びアメリカ海兵隊に1960年から1965年までの期間に約300発が配備されました。

総括

W31核弾頭は、その先進的な設計と多様な運用が特徴であり、冷戦時代のアメリカの核戦略において重要な役割を果たしました。これにより、戦略的抑止力の維持と同時に、敵対的な活動への対応能力を強化することが可能となったのです。

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