W35 (核弾頭)

W35核弾頭の概要

W35は、アメリカ合衆国が開発していた熱核弾頭の一種であり、それは特に長距離弾道ミサイルシステムに向けたものでした。この弾頭は、CGM-16 アトラス、LGM-25 タイタン I、PGM-17 ソアー、PGM-19 ジュピターといったいくつかのミサイルに搭載される予定でしたが、最終的には実用化には至りませんでした。

開発の背景

W35の開発は、ロスアラモス科学研究所で行われました。この研究所は、アメリカの核開発において重要な役割を果たしており、数々の核弾頭の設計や実験を手掛けてきました。W35もその一環として、当時の技術を駆使して設計が進められました。しかし、開発の途中でさまざまな問題が発生しました。

開発の遅延と中止

W35の開発は当初から予定通りに進まず、計画よりも遅延が生じました。その原因の一つは、セカンダリーと呼ばれる構造の不適切さにあります。この構造が設計通りに機能せず、計画されていた核出力である1.75メガトンを達成できない見込みが浮上しました。

1960年代初頭において、アメリカは核戦略の見直しを行う必要があり、より実用的かつ高性能な弾頭の開発が求められていました。そのため、W35の開発は1958年8月に中止されることとなりました。この中止は、ミサイル向けの核弾頭についての方向性が変わる中で行われたものでした。

続く開発

W35の開発が中止された後は、W38やW49といった別の核弾頭が開発され、これらが実用化されました。これらの弾頭は、W35が抱えていた技術的課題を克服する形で進化し、より高い性能を持つものとなりました。

まとめ

W35は、アメリカが長距離弾道ミサイル向けに開発した核弾頭でしたが、技術的な問題が解決できずに開発が中止されました。この弾頭が実際に導入されることはありませんでしたが、その後の核兵器の開発における貴重な経験として今も語り継がれています。

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