W45 (核弾頭)

W45核弾頭

W45は、アメリカ合衆国によって1960年代に開発された核弾頭です。この弾頭は1962年から生産が開始され、1988年まで配備されました。W45は、その効率と多様性から、冷戦時代の重要な核戦力の一部となりました。

基本仕様

W45の形状は円筒状で、直径は292mm、長さは686mm、重さは68kgという比較的小型な特徴を持っています。この弾頭は核分裂を利用したもので、その核出力は用途に応じて異なります。具体的には、0.5キロトンから15キロトンまでの範囲で設定可能です。

信管機能

W45は、空中爆発、接触爆発、遅延爆発など、様々な信管に対応しており、戦術的な柔軟性を持っています。これにより、各種の戦場や作戦環境において効果的に使用することができました。

開発背景

この核弾頭は、ローレンス・リバモア国立研究所の前身であるカリフォルニア大学ローレンス研究所で開発されました。W45にはセカンダリー（二次核分裂機構）は存在しませんが、共通の核分裂プライマリーとして「ロビン・プライマリー」を採用しています。

生産数と配備歴

W45の総生産数は約1,700発に達し、その多くがアメリカの戦略的なミサイルシステムに組み込まれました。特に、以下のミサイルシステムに使用されていましった。

• - リトル・ジョン地対地ミサイル
• - テリア艦対空ミサイル
• - 中型核爆破資材(MADM)
• - AGM-12 ブルパップ空対地ミサイル

これらのミサイルは、W45弾頭の爆発的威力を活かすために設計されており、各種の戦略的・戦術的な役割での使用が可能です。特に冷戦時代には、敵対的な勢力に対する威嚇や、戦局における決定的な優位性を獲得するために重要な役割を果たしました。

結論

W45の開発および配備は、アメリカ合衆国が冷戦において核抑止力を維持する上で大変重要な側面を担っていました。その性能と柔軟性は、核戦力の進化を支える一因となったのです。

もう一度検索