W55 (核弾頭)

W55 核弾頭の概要

W55は、アメリカ合衆国によって開発された熱核弾頭であり、主にアメリカ海軍の対潜ミサイルであるサブロックに搭載されることを目的としていました。この弾頭は、1959年から1964年の間にローレンスリバモア国立研究所で開発され、その後1964年から1968年にかけて285発が製造されました。運用は1990年9月まで続きました。

設計と性能

W55は、特に核爆雷としての運用を前提に設計されており、最大の特徴はその出力レンジです。核出力は5キロトンから250キロトンに及び、状況に応じた柔軟な使用が可能です。この弾頭では、高圧に反応する水圧信管を採用しており、水中での爆発が可能であることが重要な要素となっています。

特筆すべきは、W55が1958年7月22日に実施された核実験、ハードタックI作戦において202キロトンという重要なデータを記録した点です。この実験は、弾頭の性能を確認するためのものであり、その効果が実証されました。

サイズと重量

W55の物理的な仕様についても触れておくと、弾頭の直径は約35センチメートル、長さは1メートルほどで、総重量は213キログラムに達します。このコンパクトな設計ながらも、強力な破壊力を有している点が評価されています。

配備と運用

W55は、特に冷戦時代の核戦略において重要な役割を果たしました。285発の弾頭が製造され、海軍の要件を満たす形で配備が行われました。それにより、敵潜水艦に対する抑止力が高まり、アメリカの戦略的選択肢が拡充されることとなりました。1990年までの長期間にわたって運用され、その後、冷戦の終結にともなう軍縮措置の一環として退役しました。

まとめ

W55は、そのデザインと運用においてアメリカの核戦略に大きな影響を与えた熱核弾頭です。開発から数十年にわたり、その技術は評価され続け、ミサイル戦略の中で重要な位置を占めています。W55は、技術の進歩と核抑止力の形成に寄与した象徴的な弾頭のひとつです。

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