W80 (核弾頭)

W80核弾頭について

W80は、アメリカ合衆国が開発した核弾頭で、主に巡航ミサイルに使用されいます。この核弾頭はロスアラモス国立研究所で開発され、アメリカ空軍およびアメリカ海軍の軍事戦略において重要な役割を果たしてきました。特にミサイル運用に特化した設計が特徴です。

開発の経緯

W80の開発は1976年に始まり、B61核爆弾の設計を基にしています。当初の設計では起爆装置にトリアミノトリニトロベンゼンという低感度の爆薬が使用されましたが、低温時の性能に問題があったため、改設計が行われ、1982年には生産を再開しました。

W80には主に二つのサブタイプ、mod0とmod1があります。mod0は海軍のBGM-109 トマホークミサイル向けに設計されており、mod1は空軍のAGM-86 ALCMおよびAGM-129 ACMに用いられています。mod0はプルトニウム240の含有量が少なく、高品質の核分裂燃料を採用しています。これにより、潜水艦乗組員の放射線暴露を低減することが目的とされています。

W80の仕様

W80の物理的な特性については、直径が11.8インチ、長さが31.4インチ、重量は290ポンドとされています。核出力は可変式であり、5キロトンから200キロトンの範囲を持つため、戦略的な柔軟性を兼ね備えています。生産が始まった1981年から1983年にかけて、W80 mod1やW80 mod3の製造が開始され、1990年までにはmod0が367発、mod1が1,750発生産されました。

現在の状況

現時点で、W80の艦艇配備が求められる海軍向けのモデルは、戦術核兵器の海上配備廃止方針に従い保管されています。一方、空軍用のW80は現在も配備状態にあり、アメリカの核抑止力に寄与しています。また、将来的にはW80の配備を維持するための延命計画も検討されており、今後の動向が注目されています。

参考情報

W80に関する詳細な情報は各種資料や公式ウェブサイトで確認することができます。特に、軍事と安全保障の観点からも、W80の実績や最新の技術動向について理解を深めることは重要です。

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