W82 (核砲弾)

W82核砲弾の概要

W82は、アメリカ合衆国の核兵器開発の一環として、155mm榴弾砲用に設計された核砲弾です。これは、ローレンス・リバモア国立研究所で開発が進められましたが、最終的には開発中止となり実用化には至りませんでした。

開発の背景

W82は、先代のW48核砲弾の後継として構想されました。W48の後継にはW74が選ばれていましたが、これは核分裂兵器であり、中性子弾頭への転換が難しいことが判明し、1973年にその開発は打ち切られました。このような背景において、W82の開発が始まったのです。

W82の設計

W82は核融合兵器として設計され、203mmのW79核砲弾を参考にしています。1977年に開発が始まったW82 mod0は、プライマリー部分を用いた純核分裂兵器としての機能に加え、核融合物質を使用した中性子兵器（熱核兵器）としての使用も可能な設計でした。このモデルのサイズは径155mm、長さ86cm、重さは43kgを計画していました。核出力は最大で約2キロトンの想定です。

開発の中断

1983年10月、W82 mod0は中性子弾頭に関する政治的およびコスト面での問題により開発が中止されました。その後、純核分裂兵器としてのW82 mod1の開発が再開されたものの、冷戦の終結を受けて1990年9月にはさらに開発は打ち切られました。

最後に

W82の開発は、冷戦期間中の国内外の政治情勢やコストの問題、さらには技術的な課題が影響した事例として記憶されています。また、核兵器の研究はその性質上、極めてセンシティブな領域であるため、今後とも様々な評価や見解が交わされることでしょう。アメリカにおける核兵器の開発においては、技術革新とそれに伴う倫理的な議論が常に交錯しています。

参照

詳細な情報はこちらのリンクから確認できます。

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