W89 (核弾頭)

W89核弾頭

W89は、アメリカ合衆国が開発していた核弾頭で、主にAGM-131 SRAM IIミサイルとシーランスミサイル用に設計されました。この核弾頭の開発は1980年代に始まり、ローレンス・リバモア国立研究所で長い期間にわたり進められました。しかし、冷戦の終結に伴う国際情勢の変化により、1991年に開発が中止されました。

開発の概要

W89は1988年にその名称が正式に与えられ、その際に様々な設計の特徴が考慮されました。物理的なサイズは直径33.8センチメートル、長さ103.6センチメートル、そして重量は147キログラムとされ、核出力は200キロトン相当になります。特筆すべきは、その安全性の高さであり、低感度爆薬の採用や耐火性の向上を図り、起爆装置の安全性も強化されています。これらの設計は後の高信頼性の代替核弾頭へとつながっていくことになります。

冷戦の影響と開発の中止

1990年代初頭に入ると、冷戦の緊張が緩和され、核抑止政策に対するアプローチが見直されるようになりました。この流れの中で、1991年にAGM-131 SRAM IIミサイルの開発が中止されると、W89をSRAMミサイルに搭載し、W69の代替とする構想も浮上しました。しかし、この計画も最終的には取り消され、W89の開発は1991年をもって終了となりました。

最後に

W89はその高い安全性と性能により、アメリカ合衆国の核兵器開発史の中で重要な位置を占める核弾頭でしたが、結局は時代の変化によりその道を閉ざされました。今日では、W89は冷戦時代を象徴する兵器の一つとして記憶されています。

外部リンク

• - アメリカの核兵器アーカイブ
• - FASリソースPDF

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