WASP ネットワーク

『WASP ネットワーク』: 1990年代のキューバを舞台にしたスリラー映画

映画『WASP ネットワーク』（ワスプ ネットワーク）は、2019年にスペイン、ブラジル、フランスの共同制作で公開されたスリラー作品です。本作は、オリヴィエ・アサイヤスが監督を務め、ペネロペ・クルスやエドガー・ラミレスといった実力派の俳優が出演しています。この映画は、フェルナンド・モライスによる実際の出来事を元にしたノンフィクション書籍『Os Últimos Soldados da Guerra Fria』を原作としています。

ストーリーの概要

物語は1990年代前半にさかのぼります。この頃、キューバはソ連崩壊の影響で深刻な経済不況に見舞われていました。主人公であるパイロットのレネ・ゴンザレスは、キューバに家族を残したまま、アメリカのマイアミへ向かうことを決めます。レネの妻オルガはその行動に困惑しつつも、彼には非常に重要な理由がありました。

当時、マイアミでは亡命したキューバ人たちが、カストロ政権に対抗するための様々な活動を展開していました。レネは亡命者としてこの環境に身を置き、反キューバ組織に潜入することで、スパイ活動を通じて祖国と同胞を助けようと奮闘します。このディープなストーリーは、果たして彼がどのように自らの立場を守りながら任務を遂行するのかを描いています。

キャスト

本作のキャストには、ペネロペ・クルスがオルガ役、エドガー・ラミレスがレネ役を務めるほか、ワグネル・モウラ、ガエル・ガルシア・ベルナル、アナ・デ・アルマスなど、豪華な顔ぶれが揃っています。特にペネロペ・クルスは、その演技力で観客を引き込む存在感を発揮しています。

制作背景と撮影

『WASP ネットワーク』は、2017年4月にオリヴィエ・アサイヤスが映画化の構想を持ち始めたことからスタートしました。2018年には主要キャストが発表され、撮影は2019年2月にキューバで始まりました。ただし、内容がスパイ活動に関するものであったため、撮影許可を得るのが難航し、一行は常に監視されるという緊張感の中で撮影を進めたといいます。

音楽はエドゥアルド・クルスによって担当され、作品の緊張感を高める役割を果たしています。

公開と評価

本作は2019年9月1日に第76回ヴェネツィア国際映画祭で初公開され、その後もトロント国際映画祭や東京国際映画祭など、多くの映画祭に出展されました。2020年に入ると、Netflixが全米配信権を獲得し、広く視聴者に届けられることとなります。

ただし、映画の評価は賛否が分かれ、映画批評集積サイトであるRotten Tomatoesでは、支持率は41%と多くの批評家からは平凡な評価が寄せられています。Metacriticでも、加重平均値が53点という結果になっています。

結論

『WASP ネットワーク』は、歴史的背景を持つストーリーと緊迫したスパイ活動を描いた作品です。観る者に強いメッセージを伝える同作は、多くの観客がNetflixでの配信を待ち望んでいることでしょう。

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