WHITE INCARNATION

the pillowsの2枚目のアルバム『WHITE INCARNATION』（ホワイト インカーネイション）は、バンドが『the PILLOWS』名義で活動していた時期に発表された作品です。このアルバムは、第一期the pillowsの最後の作品であり、上田ケンジが脱退する前の最後のアルバムとなりました。

本作は、the pillowsにとって初のロンドンでのレコーディング作品であり、「彼女はシスター」や「ぼくらのハレー彗星」のミュージックビデオもロンドンで撮影されました。アルバムタイトルは「雲」を意味しており、これは当時のthe pillowsの在り方を象徴する言葉として選ばれました。

収録曲の中で、「サリバンになりたい」は、ライブで初めて演奏した際に非常に盛り上がったものの、レコーディングした音源を聴いた際に音が軽く、少しがっかりしたというエピソードが語られています。この曲は、後にセルフカバーされるなど、バンドにとっても特別な一曲となっています。

また、収録曲の「TONIGHT」は、後の第二期the pillowsの音楽性の方向性を示す楽曲となりました。このアルバムからは、「ぼくらのハレー彗星」が『TURN BACK』で、「サリバンになりたい」が『Rock stock&too smoking the pillows』でそれぞれセルフカバーされています。これらのセルフカバーからも、本作の楽曲がバンドにとって重要な位置を占めていることが伺えます。

収録曲

1. カラフル・パンプキン・フィールズ （3:09）
2. 彼女はシスター （4:10）
3. ペーパームーンにこしかけて （5:00）
4. このままここで （5:57）
5. サリバンになりたい （4:20）
6. 気にしてないよ （3:00）
7. ブルーマーチ （4:41）
8. 夜明けがやってきた （3:37）
9. TONIGHT （3:39）
10. ぼくらのハレー彗星 （5:46）
11. GOOD NIGHT （3:57）

作詞・作曲:
#2,5,6,8,9,10: 山中さわお
#1,3,4,7,11: 上田ケンジ、山中さわお


本作は、第一期the pillowsの集大成であり、同時に第二期への橋渡しとなる重要なアルバムと言えるでしょう。ロンドンでのレコーディングという新しい試みや、楽曲の多様性、そしてバンドの変遷を捉えることができる作品として、ファンにとって必聴の一枚です。

参考文献

the pillows cast [1989-2009] 20th Anniversary Special Edition

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