WHO'S GONNA SAVE US

シングル「WHO'S GONNA SAVE US」について

「WHO'S GONNA SAVE US」は日本のロックアーティストHYDEによる8作目のシングルで、2018年にリリースされた楽曲です。この曲は、HYDEが2017年にVAMPSの活動を一時休止し、ソロ名義での音楽制作に復帰する際に発表された重要な作品です。回顧すると、HYDEの音楽キャリアにおけるターニングポイントとなるこのシングルは、彼の新たなスタートを象徴しています。

シングルの背景

このシングルの表題曲は2018年6月20日に配信発売され、フィジカル版は同年6月27日にリリースされました。HYDEにとって、ソロシングルとしては前作から実に12年半ぶり、CDリリースとしてはベストアルバム「HYDE」以来10年3ヶ月ぶりの新作となります。また、本作はタイアップ楽曲を含まないシングルとしては2度目のリリースです。

HYDEは2001年からソロ活動を始め、しばらくはL'Arc〜en〜Cielと並行して活動していましたが、2008年以降はVAMPSに専念していました。VAMPSの活動が2017年に一時休止に入り、彼はおよそ10年ぶりにソロとしての音楽制作にシフトしていきます。この背景が、「WHO'S GONNA SAVE US」に込められた感情やメッセージに影響を与えていると考えられます。

楽曲の構成とテーマ

「WHO'S GONNA SAVE US」は、不穏なデジタルなイントロから始まり、サビに向かって重厚な音に変化していく楽曲で、そのエネルギーはHYDEのアーティストとしての独自性を示すものとなっています。この曲の制作には、コライト制度が導入され、HYDEは様々なコンポーザーと共同で楽曲を仕上げることに取り組みました。この新しいアプローチは、彼がこれまでに抱いていた制作の固定観念を崩した一因でもあると語っています。

表題曲の歌詞では、法を守ることで人を守れるのかというテーマが描かれ、特にアメリカ社会での銃問題や、最近の事件を踏まえた思考が反映されています。実際、HYDEは歌詞に込められたメッセージを通して、「誰も救ってくれないのなら、自分たちで自分を守るしかない」という厳しい現実を指摘しています。この考え方は、彼の音楽だけでなく、社会への鋭い視点をもたらしています。

音楽ビデオとリリース

この曲のミュージックビデオは、映画『シャイニング』をオマージュした内容で、人間の二面性をテーマにした映像表現がなされています。映像は2018年6月6日に特別番組で初公開され、その後、多くのファンに感銘を与えました。

シングルの発売方法も変わり、HYDEはこの作品の先行配信を始め、フィジカル発売の前に各種音楽ストリーミングサービスを通じて楽曲をリリースする流れを確立しました。これは、音楽の受け取り方に新たな風をもたらしました。フィジカルアルバムは初回生産限定盤と通常盤の2形態でリリースされ、特に初回盤にはコンセプトブックが付属するなど、ファンに向けた細やかな配慮が見受けられます。

収録内容

シングルのカップリングには、HYDEが2003年に発表した楽曲「MIDNIGHT CELEBRATION」のリアレンジバージョンが収録されています。この曲は、若干のコード進行の変更を経て新たなアレンジが施されています。HYDEの楽曲制作の集大成とも言えるこのシングルは、彼の音楽性の新たな一歩を記録したものとして、多くのリスナーの心に響き続けています。

「WHO'S GONNA SAVE US」は、HYDEのアーティストとしての真髄と、音楽に対する誠実な姿勢を感じさせる作品です。

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