WHOIS

WHOIS（フーイズ）とは

WHOISは、インターネット上でドメイン名、IPアドレス、およびAutonomous System（AS）番号の所有者情報を検索するためのプロトコルです。このプロトコルを使用することで、ユーザーが必要な情報を迅速に取得できるようになっています。WHOISはTCPベースで構成されており、クエリ（質問）とレスポンス（応答）が行われます。

概要

WHOIS検索は、従来はコマンドラインインターフェースを介して操作されてきましたが、近年ではウェブベースのインターフェース（GUI）を用いて、より直感的に利用できるようになっています。ウェブベースのWHOISクライアントは、WHOISサーバと接続し、検索を実行するためにプロトコルに依存しています。また、コマンドライン型のWHOISクライアントは、依然として多くのシステム管理者に広く使用されています。WHOISシステムは、管理者が自らの管理下にないIPアドレスやドメイン名の所有者にアクセスするための「電話帳」的な役割を果たすことを目指しています。

モデルの種類

WHOIS情報を格納する方法は大きく2つに分類されます。ThinモデルとThickモデルです。Thickモデルは、特定のレジストリ情報を1台のサーバに全て登録する方法であり、例としてある特定のドメイン名のクエリを実行できます。一方、Thinモデルでは、1台のWHOISサーバに検索可能な全ての情報を持つ他のWHOISサーバ群の名前を登録し、クエリをそのサーバに任せます。一般的にはThickモデルの方が迅速で一貫したデータを提供しますが、実際の応答には状況に応じた差異があります。

クエリの例

例えば、wikipedia.orgのWHOISクエリ結果は以下のようになります：

```
Domain ID: D51687756-LROR
Registrar WHOIS Server: whois.markmonitor.com
Registrar URL: http://www.markmonitor.com
Updated Date: 2020-10-15T22:29:57Z
Creation Date: 2001-01-13T00:12:14Z
Registry Expiry Date: 2023-01-13T00:12:14Z
Registrar: MarkMonitor Inc.
Registrant Organization: Wikimedia Foundation, Inc.
Name Server: NS0.WIKIMEDIA.ORG
Name Server: NS1.WIKIMEDIA.ORG
DNSSEC: unsigned
```

歴史

WHOISは1980年代初頭に標準化され、当初はアメリカの国防高等研究計画局（DARPA）のもとで管理されていました。その後、ドメイン登録業務が商業化され、1999年にICANNが管理を引き継ぎ、Thinモデルによるサービスが提供されるようになりました。これにより、WHOISクライアントも新しい形態に進化し、多くのトップレベルドメイン（TLD）が登場することに伴い、インターネット上の情報の複雑化と国際化が進みました。

利用方法と展開

初期のWHOISサーバはコマンドラインでアクセスされていましたが、現在では多くのグラフィカルユーザインターフェース（GUI）やウェブベースのクライアントが登場しています。これにより、より多くのユーザーが直感的にWHOIS情報にアクセスできるようになりました。一部の有名なWHOISクライアントには、Sam-SpadeやActive Whoisなどがあります。

課題

WHOISシステムにはいくつかの問題点があります。一つは、プライバシーの問題です。多くのTLDでは登録者の個人情報が公開されており、特に個人が運営するドメインの場合、問題を引き起こす可能性があります。また、スパム送信者がWHOIS情報から電子メールアドレスを収集するため、この点に対して対策が講じられています。

さらに、WHOISプロトコルは国際化に対応しておらず、ASCII文字のみの使用に制限されています。これにより、多言語ドメイン名の普及に伴う問題が生じています。

結論

WHOISはドメインやIPアドレスに関する基本的な情報を提供する非常に重要なプロトコルであり、今後もインターネット技術の発展と共に進化を続けるでしょう。しかし、プライバシーや国際化の問題に関する課題も存在し、それらの解決に向けた取り組みが求められています。

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