WIEN'Z

WIEN'Z（ウィーンゼット）

WIEN'Zは、かつて日本野球連盟に加盟していた社会人野球のクラブチームです。東京都を主な活動拠点としていましたが、2021年にチームとしての歴史に幕を下ろしました。

チームの設立と歩み

チームの前身は「WIEN'94（ウィーンキューヨン）」として、1994年に発足しました。フリージャーナリストの軍司貞則氏が、既存チームから独立する形で東京都に設立したのが始まりです。設立当初から監督は軍司氏が務めました。

結成から間もない1996年には、クラブチーム日本一を決める「全日本クラブ野球選手権大会」に初出場し、ベスト4に進出しました。そして、設立から5年目の1999年には、同大会で初の優勝を果たしました。この優勝は、チームにとって大きな栄光であり、社会人野球界における存在感を示す出来事となりました。

チームの監督については、長らく軍司氏が務めていましたが、2008年から2年間は創設メンバーの一人である志村亮氏が選手兼任で指揮を執りました。その後、2010年からは元広島東洋カープの投手であった新美敏氏が監督に就任しました。軍司氏は監督退任後、GM（ゼネラルマネージャー）としてチーム運営に関わりました。

WIEN'Zへの改称とチーム刷新

2013年12月18日、チーム名を「WIEN'Z」へと改称しました。同時に、軍司貞則氏が監督に復帰。当時のクラブ野球界の状況を踏まえ、「西高東低」を打破すべく、大規模なチーム改革に着手しました。トライアウトを通じて若手選手を積極的に迎え入れ、チームの若返りと戦力強化を図りました。

この改革の結果、それまでチームに在籍していた多くの選手、特に旧体制の中心メンバーや前監督の新美氏らは、エスプライド鉄腕硬式野球部へ移籍する流れとなりました。これにより、エスプライド鉄腕は既存メンバーと移籍組を合わせて50名を超える大所帯となり、一時的に旧WIEN'94の一部が合流したかのような独特なチーム構成となりました。

主な戦績と所属選手

WIEN'Z（旧WIEN'94含む）は、全日本クラブ野球選手権大会に計8回出場し、1999年に1度優勝しています。また、中日本クラブカップでも、2012年に優勝経験があります。

チームには、元プロ野球選手も在籍しました。監督を務めた新美敏氏（元広島東洋カープ）や、投手としてプレーした今関勝氏（元日本ハムファイターズ）などがいます。

また、「幻のドラフト1位」と呼ばれた投手、志村亮氏も所属していました。志村氏は創部時からチームに加わり、2010年まで選手兼任監督としてもチームを支えました。

チーム活動の終焉

刷新された体制で活動を続けましたが、2021年4月25日、公式ツイッターにてチームの解散が発表されました。この解散は、同年4月27日付けで日本野球連盟にも承認され、WIEN'Zは廃部となりました。

WIEN'Zは、社会人野球のクラブチームとして、全日本クラブ野球選手権での優勝など、確かな実績を残しました。東京都を拠点に活動したその軌跡は、日本の社会人野球史の一ページに刻まれています。

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