WORLD GROOVE

『WORLD GROOVE』について

『WORLD GROOVE』は、日本の人気歌手グループtrfによってリリースされた3枚目のアルバムです。このアルバムは1994年2月9日に発売され、avex traxから出ています。前作『EZ DO DANCE』以来、約半年ぶりの新作となります。

アルバムには、先行シングルとしてリリースされた『寒い夜だから…』や『Silver and Gold dance』がリミックスされて収録されています。全体を通して、アルバムのテーマは「踊る」「気持ち良く乗る」「自然に体が揺れる」といった感覚を、洗練された英語と音楽で表現することにあります。DJ KOOは、同時代に世界中で起こっている音楽の「グルーヴ感」を、一枚のアルバムに集約することを目指しました。

小室哲哉は、「グルーヴは日本語で言えば『ノリ』です。この言葉は全ての日本人に共通するもので、これを音楽で表現しました」と説明しています。一方で、メンバーのYU-KIは小室からの指導を受け、さまざまなリズムやテンポに個別の強い躍動感を持たせて歌うことが求められたことが、彼にとっての挑戦だったと振り返っています。

本アルバムは、trfにとって初めてオリコンランキングで1位を獲得し、同時に初のミリオンセールスを達成するなど、商業的にも成功を収めました。また、1994年3月21日にはこのアルバムに関連するVHSも発売され、デビューから『WORLD GROOVE』までのミュージックビデオやライブ映像が収められています。初回版は特別な写真集が付属したボックス仕様となっていました。

収録曲の紹介

アルバムには多くの印象的な楽曲が含まれています。まず、オープニングトラック「WORLD GROOVE 1st.chapter (Forest Ambient)」は、無限のサウンドの可能性を探求し、シンセサイザーを使って「大地」のイメージを表現しています。

続いて「Feel the CENTURY」では、ハードコアテクノの伝統を尊重し、trfのイメージを反映した楽曲に仕上がっています。「寒い夜だから… (SEQ OVER DUB MIX)」は、5thシングルとしてリリースされ、特別なアレンジが施されました。

「CAMILLE CLAUDEL」は、彫刻家オーギュスト・ロダンの愛人であるカミーユ・クローデルを題材にした楽曲で、彼女の人生が色濃く反映されています。この曲について、YU-KIはセクシーな歌詞に注意を払い、自分の声の出し方にも気を使ったと語っています。

また、「WORLD GROOVE 2nd.chapter」では、ガムランの音をシンセサイザーで再現し、多言語のコーラスがサンプリングされています。「Waiting Waves」は、YU-KIが日本語の歌詞を担当した作品で、彼女自身の素直な感情が表現されています。

最終トラック「私が望むもの…あなたが欲しいもの (Do what you want)」では、1stアルバムの楽曲をリメイクし、YU-KIの誕生日にボーカルを収録した特別な曲です。アルバムの最後には、小室による生ピアノが隠しトラックとして含まれており、音楽全体のテーマである「グルーヴ」に繋がる感動的な一篇となっています。

このように、『WORLD GROOVE』はtrfが音楽を通じて表現した、ダンスとリズムに満ちた魅力あふれるアルバムです。

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