WWA&インディペンデント・ワールド世界女子王座

WWA&インディペンデントワールド世界女子王座

この王座は、日本のプロレス団体であるFMW（フロンティア・マーシャルアーツ・レスリング）が管理主体となり、WWA（ワールド・レスリング・アソシエーション）とFMWの両団体によって認定されていた女子プロレスのタイトルである。その歴史は、二つの異なる王座が創設され、後に実質的に一つとして扱われるようになった点に特徴がある。

王座の起源は1990年に遡る。当時、FMWはWWAと提携関係にあり、この年にWWAによってWWA世界女子王座が設立された。その初代王者を決定する選手権試合は、同年11月5日にFMWが東京・駒沢オリンピック公園体育館で開催した大会内で行われた。この記念すべき初代王座決定戦を制したのはコンバット豊田であり、彼女が最初のWWA世界女子王者としてその名を刻んだ。WWA世界女子王座はその後、FMWにおける女子部門の主要なタイトルとして存続する。

時が経ち、1994年1月、FMWは独自のタイトルとしてインディペンデントワールド世界女子王座を新たに創設する。この動きは、FMWが提携団体に依存せず、独自の権威を持つタイトルを確立しようとする意図の現れとも解釈できる。そして、このインディペンデントワールド世界女子王座の創設とほぼ同時期に、WWA世界女子王座に一つの変化が訪れる。当時、WWA世界女子王座を保持していたクラッシャー前泊が、そのタイトルを手放したのである。

このWWA王座の返上を受け、新たな展開が始まる。1994年2月25日、FMWは東京・後楽園ホールにて「レディース・チャンピオン・カーニバル」と銘打たれた女子選手のトーナメントを開催した。このトーナメントの優勝者は、空位となったWWA世界女子王座の第9代王者として認定されると共に、新たに設立された初代インディペンデントワールド世界女子王座の保持者ともなる、という方式が取られたのである。激戦を勝ち抜いてこの栄誉に輝いたのは、FMW女子のエースであった工藤めぐみである。彼女はこれにより、第9代WWA世界女子王者と初代インディペンデントワールド世界女子王者の二つのベルトを同時に獲得した。

工藤めぐみが二つの王座を同時に保持する体制が確立されて以降、このWWA世界女子王座とインディペンデントワールド世界女子王座は、原則として一回の選手権試合で同時に防衛戦が行われる、という特殊な運用形態が取られることとなった。これは実質的に、二つの王座が一つ上位タイトルとして扱われることを意味していた。選手権試合の勝者は、例外なく両方のベルトを保持する形となったため、記録上は二つの王座の歴史が並行して進むものの、実態としては「WWA&インディペンデントワールド世界女子王座」という一つのタイトルのように認識されるようになったのである。

この二冠体制は、FMWが活動を続ける間、同団体の女子部門における最高峰のタイトルとして機能し続けた。多くの挑戦者がこの王座を目指し、激しい戦いが繰り広げられた。しかし、王座の運命は管理団体であるFMWの盛衰に左右された。そして、2002年2月15日、FMWが活動を停止し崩壊を迎えたことに伴い、管理団体を失ったWWA&インディペンデントワールド世界女子王座は、その歴史に幕を下ろすこととなった。これにより、このユニークな二重タイトルの歴史は事実上の休止状態、すなわち「封印」として扱われることとなったのである。この王座は、FMW女子プロレスの歴史において、その栄光と終焉を象徴する存在として記憶されている。

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