W/ダブル

映画『W/ダブル』の概要

『W/ダブル』（原題：The Stepfather）は、1987年にアメリカで制作された心理的スリラー映画です。この作品は、ある理想的な家族像を夢見る殺人鬼が描かれており、その幻想が崩れた際に残酷な殺戮を繰り返す様子が描かれています。原題の『The Stepfather』は、映画の中心テーマである継父の存在を強調しています。

背景

本作の脚本はドナルド・E・ウェストレイクが担当し、原案はブライアン・ガーフィールドとともに生み出されました。監督はジョセフ・ルーベンが務め、主要キャストにはテリー・オクィンがジェリー・ブレイク役として出演。新人の彼がこの作品をきっかけにブレイクを果たしました。この作品はユニークなプロットや強烈なキャラクターによって、多くの観客の関心を引きました。

あらすじ

物語は、ある朝、静かな町の一軒家から始まります。男が身支度をしているその傍らには、無惨にも殺された家族の姿が。男は何事もなかったかのようにその家を後にし、1年後に別の町へ目を移します。新たにストーリーの中心となる家族、シングルマザーのスーザンと彼女の娘ステファニーが登場します。

ここで、彼女たちの人生に現れるのが新たな継父、ジェリー・ブレイクです。彼は不動産会社に勤めており、スーザンにとっては理想的なパートナーですが、ステファニーは彼に警戒心を抱きます。彼女の直感は正しかったのです。ステファニーは次第にジェリーの正体に疑いを持ち、彼の周りで起こる異常な出来事に気づき始めます。

ジェリーは過去の出来事がうやむやにされることを望まず、彼の素性を知る者たちを排除するために次々と殺人を犯します。彼の狂気は、理想の家族を築くことに強く執着し、それに反する者がいれば容赦なく襲いかかるという冷酷さを持っています。物語が進行するにつれ、ステファニーは彼の恐ろしい正体を発見し、彼の過去と条件を知ることになります。

この恐怖の中で、ステファニーとスーザンはそれぞれの方法で反撃する決意を固めます。母娘の勇気ある行動が、この男の狂った支配から逃れるカギとなります。

評価と続編

『W/ダブル』は公開当時から注目され、特に1987年度シッチェス・カタロニア国際映画祭で最優秀女優賞を受賞しました。また、その後シリーズ化され、続編として『ステップファーザー2/危険な絆』（1989年）、『ステップファーザー3』（1992年）が制作され、2009年にはリメイク作品『ステップファーザー 殺人鬼の棲む家』も公開されました。

結論

この映画は、ただのスリラーにとどまらず、理想化された家族観とそれに伴う狂気を描いており、観る者に強い印象を残します。定期的にリメイクされ、受け継がれているこのストーリーは、その普遍的なテーマがいかに人々の心を掴んでいるかを示しています。

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