Waboku

Waboku（わぼく）について

Wabokuは、日本を拠点とする男性アニメーション作家で、特に独自の退廃的な世界観を持った作品を数多く制作しています。彼は2015年から活動を開始し、その作品はイラストレーションやアニメーションの分野で高く評価されています。

略歴

高校時代、Wabokuは民俗学者を志していましたが、ある日偶然鑑賞した細田守監督のアニメ映画『サマーウォーズ』が彼の進路を変えました。この作品に感動したWabokuは美術の道を目指し、東京工芸大学のアニメーション学科に進学します。大学在学中、彼は多くの情報を詰め込んだ「ミュージックビデオ」に魅力を感じ始め、19歳で初めてのアニメーションMV制作に挑戦しました。影響を受けた先駆者として中澤一登や森本晃司、田中達之の名前を挙げています。

大学卒業制作として2015年に制作した『EMIGRE』は、多くの賞を受賞し、Wabokuの名を広めました。大学を卒業後、彼は新卒で入社した会社をおよそ半年で辞め、その後フリーランスとして活動しながら、作家事務所に就職しました。その後、ボカロPのルワンに依頼されて手掛けたミュージックビデオ『ハイタ』は、Wabokuによる初のミュージックビデオとなり、これを皮切りに依頼が急増しました。

その後、2017年にはEveからの依頼で『お気に召すまま』のミュージックビデオも制作。Wabokuのスタイルが確立していく中、彼は数々の個展やNFTアートのリリースなどを行い、2023年末には個展「COPY」を開催しました。さらに2024年には「DRAGON展」を予定しており、作家活動10周年を迎える2025年12月には記念個展『10-COUNT』を予定しています。

作風

Wabokuは自身の作品に「退廃」と「寂しさ」をキーワードとして掲げています。彼の作品には落ち着いた色合いや独特な世界観が漂っており、それらが視覚的に強い印象を与えます。ミュージックビデオ制作の際には、まず楽曲を聴き、その後ミュージシャンと話し合いながらイメージボードを作成していくスタイルをとっています。

具体的には、『ハゼ馳せる果てるまで』の制作時には、アーティストの着ていた衣装や姿勢からインスピレーションを受け、映像のアイデアに取り入れました。カットを描いたあとのコンテ制作では、どのカットでどの場面を表現したいのかを基準にし、画面上でのナラティブを考えながら並べています。

また、Wabokuはユーモアを意識した演出も大切にしており、これによって作品の中の「かっこいい描写」が際立つと語っています。観る人の記憶に残る印象的な場面も作成することを心掛けており、特にキャラクターに台詞を持たせることに力を入れています。彼の作品はカット数が多いことが特徴であり、それにより映像のスピード感を調整しやすくなっています。

人物

Wabokuは自身の性格を「熱しやすく冷めやすいタイプ」と分析。本業に取り組む際は、モチベーションを高く保ちながらスピーディに作品を制作するスタンスを大事にしています。特に印象に残っている作品には、『お気に召すまま』と『秒針を噛む』を挙げており、それぞれ異なる演出へのこだわりが表れています。

参加作品

Wabokuは多数のミュージックビデオやアート作品を手掛けており、近年ではEveやずっと真夜中でいいのに。、ポーター・ロビンソンなど様々なアーティストとのコラボレーションが注目されています。また、個展やオンラインギャラリーでの活動を通じて、新たな表現手法を探索し続けています。

彼の作品は、今後も多様化し進化していくことでしょう。今後の展覧会や新作にも期待が高まります。

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