Wake up! Wake up! Wake up!

the pillowsの14枚目のアルバム『Wake up! Wake up! Wake up!』は、バンドがavex traxに移籍後、初めてリリースしたオリジナルアルバムです。このアルバムのタイトルには、「自分たちが愛するオルタナティブミュージックに、多くの人が目覚めてほしい」という強い願いが込められています。

本作の制作において、特に注目すべきは、そのサウンドメイキングへのこだわりです。ギタリストの山中さわおは、「ギターバンドとして可能な限りのハイファイなサウンドを追求したい」という強い意志を持っていました。その結果、本作では、シミュレーションアンプを用いた「ライン録り」という手法が積極的に採用されています。

具体的には、アルバムの初期段階でレコーディングされた「Wake up! dodo」、「プロポーズ」、「スケアクロウ」を除く全ての楽曲で、このライン録りが用いられました。この手法は、2000年にリリースされたシングル「Ride on shooting star」に収録された3曲でも使用されており、the pillowsのサウンドを特徴づける要素の一つとなっています。

ライン録りは、アンプを通さずに直接楽器の音を録音する手法で、これにより、よりクリアで歪みの少ない、繊細なサウンドを実現することができます。これは、従来のギターサウンドのイメージを覆す、新たな試みであり、the pillowsの音楽的な進化を示すものと言えるでしょう。

アルバム収録曲は以下の通りです。

1. Wake up! dodo
2. YOUNGSTER (Kent Arrow)
3. プロポーズ
4. スケアクロウ
5. BOAT HOUSE
6. プレジャー・ソング
7. シリアス・プラン
8. Skinny Blues
9. プライベート・キングダム
10. Century Creepers (Voice of the Proteus)
11. Sweet Baggy Days

全曲の作詞・作曲は山中さわおが担当しています。それぞれの楽曲は、オルタナティブロックの多様な側面を捉えながら、the pillowsならではの独創的な世界観を表現しています。

初回限定版には、特典としてDVDが付属しており、「スケアクロウ」と「Wake up! dodo」のミュージックビデオを鑑賞することができます。

演奏メンバーは以下の通りです。

真鍋吉明：Programming
鈴木淳：Bass

『Wake up! Wake up! Wake up!』は、the pillowsの音楽的な実験精神と、常に新しいサウンドを追求する姿勢が結実した作品であり、オルタナティブロックファンだけでなく、幅広い音楽ファンに聴いてほしい一枚です。

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