真鍋吉明:ロックギタリストの軌跡とこだわり
真鍋吉明(まなべ よしあき)は、
1962年10月2日生まれ、
北海道札幌市出身の日本のミュージシャンです。ロックバンドthe pillowsの
ギタリストとして知られる一方、
NINE MILES名義でソロ活動も展開しています。愛称は「Peeちゃん」で、音楽ファンから親しまれています。
ロックとの出会いと音楽活動の始まり
中学時代、レコード店の視聴コーナーで
ディープ・パープルのレコードに出会ったことがきっかけでロックに魅了されます。16歳でエレクトリック
ギターに挑戦しますが、すぐに挫折。しかし、17歳で再び
ギターを手にし、本格的に演奏を始めます。同時期にロンドン・パンクの衝撃も受け、音楽への情熱を深めていきます。
札幌大学在学中にはニューウェイヴバンド「マザー」を結成。その後、「ペルシャ」と改名し、メジャーデビュー目前まで進みますが、事務所との活動方針のズレから
1989年に解散。この時期には、札幌のライブハウスを中心に精力的に活動していました。
マザー~ペルシャ時代は、グレコの
ギターと空間系エフェクターを多用。アンプはヤマハのF100を主に使用していたそうです。
the pillows結成とギタリストとしての確立
ペルシャ解散後、真鍋は元KENZI&THE TRIPSの
上田ケンジが結成する新バンドのオーディションに合格し、the pillowsに加入します。ここから、彼の音楽キャリアは新たな局面を迎えます。
人物と音楽へのこだわり
真鍋は、日本史研究、
相撲観戦、
読書、
レゲエ(特にボブ・マーリー)の鑑賞を趣味としています。また、実家が美容室を経営している関係で、自身も美容師免許を取得しています。大学では経営学を専攻していたという一面も持ちます。
吉本新喜劇が好きで、特に
辻本茂雄の大ファンとしても知られています。
彼の
ギタープレイの特徴は、一般的なコードブックには掲載されないような変則的なコードの押さえ方にあります。このため、the pillowsのバンドスコアは2006年まで発売されませんでした。また、歪み、特にファズへのこだわりが強く、複数のビッグマフを楽曲ごとに使い分けています。
the pillowsでは基本的に作曲は行いませんが、アルバム『
LIVING FIELD』収録の「Swinger's Night Club」を作曲しています。また、
NINE MILESのアルバムに収録された「Heart is there」がthe pillowsのシングル『ノンフィクション』のカップリングとしてカバーされ、実質的にバンド内で二度目の作曲作品となりました。
ライブでは、最後の曲が終わると片膝をついて
ギターをスタッフに預ける独特のポーズをとります。アンコール後も同様のポーズで
ギターを丁寧に扱う姿が印象的です。しかし、
上田ケンジ脱退のラストライブでは、最後に
ギターをステージに投げつけたというエピソードも持っています。
真鍋は、初期にはギブソン・レスポールや
フェンダー・ストラトキャスターを使用していましたが、盗難を機に、1999年~2007年頃には安価な
ギターを好んで使用するようになります。「良い
ギターで良い音を出すのは当然、安い
ギターで良い音を出すことに魅力を感じた」と語っています。この時期には、フェンダー・ジャパンのムスタング、
エピフォンのエクスプローラー、
スクワイアのジャグマスターなどを使用。
現在は、「Sago New Material Guitars」製のオリジナルモデル「CAOS」をメインに使用しています。その他、フェンダー MA-1、TAKAMINE PT-310、
セイモア・ダンカンのストラトキャスター、テレキャスターも所有しています。
シグネイチャーモデル「CAOS」
2008年に登場した「CAOS」は、真鍋吉明のシグネイチャーモデル
ギターです。2007年頃から使用していたレスポール・スペシャル・ダブルカッタウェイをベースに、真鍋の要望を取り入れて製作されました。
ピックアップには、Sagoオリジナルの「SMH-1」ハムバッキングタイプが搭載されており、ノイズ対策が施されています。コイルタップ機能により、サウンドの切り替えも可能です。また、ナット幅はギブソン
ギターよりも1mm広く設計され、ビブラート時の弦落ちを防ぐ工夫が施されています。
「CAOS」には、真鍋が使用している「SPECIAL」と、基本仕様を踏襲しつつ木材とボディ厚を変更した「STANDARD」の2モデルがあります。the pillowsのメンバー
山中さわおも、Sagoから提供された「CAOS」(オリジナルペイント)を所持しています。
作品
アルバム
Rutile (2012年11月14日)
参考文献・出典
the pillows official web site
Rutile official site by YOSHIAKI MANABE(真鍋吉明)*
真鍋吉明は、その独特の
ギタープレイと音楽へのこだわりで、多くのファンを魅了し続けています。the pillowsのサウンドを支える彼の存在は、日本のロックシーンにおいて不可欠なものとなっています。