WebVTT

WebVTTの概要



WebVTT（Web Video Text Tracks）は、HTML5において採用されている音声や動画の字幕およびその他のテキスト情報を統合するための形式です。W3C（World Wide Web Consortium）が策定したこのフォーマットは、公式の仕様を通じて広く利用されています。

仕様



WebVTTの具体的な仕様は、W3Cの公式サイト（www.w3.org/TR/webvtt1/）で確認可能です。SubRip（SRT）ファイルフォーマットと比較すると、WebVTTは異なる拡張機能を持っているものの、基本的な構造はシンプルです。ファイルの最初の行には「WEBVTT」というテキストが含まれ、その次に空行が続きます。3行目からはSubRip形式と類似した形式が続きますが、通し番号は廃止され、時間の表記はコンマ（,）からドット（.）へと変更されています。さらに、ファイルはUTF-8でエンコードされる必然がありますが、バイト順マーク（BOM）の付加は任意です。

例



以下はWebVTTフォーマットの一例です：
```
WEBVTT

00:20:41.150 --> 00:20:45.109
字幕1行目
字幕2行目

00:21:34.567 --> 00:21:45.678
次の字幕
```

利用事例



日本においては、総務省が次世代映像配信技術に関する研究を行う中、2018年度の初めに、FIFAワールドカップ（ロシア）で放送された試合において、FIFAからのスタッツデータをWebVTT形式で変換し、試合の選手へリアルタイムにテキスト表示を行ったことがあります。この実験は、WebVTTが持つ柔軟性を活用した好例として注目されました。

利点と欠点



利点



WebVTTの最大の利点は、その自由度の高さです。電波産業会や日本民間放送連盟が提案している従来の字幕規格に比べ、WebVTTはインターネット上での動画配信において、文字数の制限といった煩わしい制約がほとんど存在しません。このため、クリエイターはよりクリエイティブな表現を実現できる状況にあります。

欠点



とはいえ、WebVTTは完全無欠のフォーマットではありません。特に日本の字幕教育においては、ルビの表記が求められるケースが多いですが、WebVTT内でのルビ利用はオープンキャプションに比べて自由度が低く、問題が生じることがあります。また、編集ソフトウェアの選択肢が限られており、このことが多くの事業者がWebVTTの導入をためらう要因となっています。

脚注



WebVTTは進化する映像配信の新しい時代に適応するための重要な技術であり、研究や開発が進められるべき分野です。また、具体的な利用例や技術の適応を促進するために、関連する研究文献や業界資料も参照することが重要です。

参考文献


  • - “WebVTT: The Web Video Text Tracks Format”. W3C (2019年4月4日). 2019年8月28日閲覧。
  • - 石澤 顕 (2019年2月19日). TVerの足跡とこれから (PDF) (Report). 日本テレビ放送網. 2019年8月28日閲覧。
  • - 株式会社トライグループ (2018年10月2日). 学習上の支援機器等教材研究開発支援事業成果報告書 (PDF) (Report). 文部科学省. 2019年8月28日閲覧。

関連項目



外部リンク


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