Wiiの間

Wiiの間

Wiiの間は、かつてWiiの間株式会社が展開していた動画配信サービスで、任天堂と電通の共同プロジェクトとして2009年5月1日から2012年4月30日まで運営されていました。このサービスは、家庭でのリラックスした時間を楽しむためのプラットフォームとして設計され、特に家族向けのコンテンツが充実していました。

サービス内容

Wiiの間は、Wii本体をインターネットに接続し『Wiiショッピングチャンネル』からダウンロードして利用します。基本的には無料で提供されていましたが、2009年11月21日からは一部有料の「ホームシアター」コンテンツも加わりました。プレイヤーは、Miiと呼ばれるキャラクターを部屋に配置し、そこに設置されたテレビを通じて様々な動画を視聴できました。

部屋の中央には特徴的なちゃぶ台があり、それが「Wiiの間」の象徴的なアイコンでもありました。動画の種類は多岐にわたり、オリジナルコンテンツからスポンサーのPR動画まで、家庭で楽しめる番組が中心となっていました。視聴後には、各Miiによる動画の評価を行うシステムがあり、視聴者が興味を持ったコンテンツに対し個別に評価する仕組みが取り入れられていました。評価は、面白さに関する4段階評価と他者への推薦意欲の二つの質問から成り立っていました。

利用者とダウンロード状況

サービスの利用者は多く、2009年10月の時点で93万世帯以上の248万人が利用していました。2012年2月には累計ダウンロード数が約449万、利用者が約881万人に達していたことが記録されています。この数値からも、Wiiの間が幅広い層に受け入れられていたことが伺えます。

多様なコンテンツ

期間限定で展開されるさまざまなコーナーが設置されていました。例えば、「ポケモンの間」ではポケモン関連の映像や旧作アニメが配信され、「よしもとの間」では吉本興業の芸人たちによる漫才やコントが楽しめました。また、「DVDや映画の予告編」を紹介する「ワーナーの間」や、視聴者からの作品アイデアを募る「みんなの間」などもあり、様々な楽しみ方が提供されていました。

技術的特徴

配信される映像には著作権保護のためのコピーガード信号が施され、デジタルレコーダーでの録画は不可能でしたが、アナログ機器を使用することで録画はできました。ただし、コピーガード信号が記録されるため、デジタル機器での再録画はできませんでした。

その後の展開

Wiiの間は2012年にサービスを終了し、運営会社は「任天堂ネットワークサービス株式会社」へと名称変更を行いつつも、最終的には2018年には法人格を消滅させました。その後、Wiiでの有料動画配信サービスはしばらく存在しませんでしたが、2012年には新たにHuluがWii向けのサービスを開始し、動画配信市場に再参入しました。

Wiiの間は、任天堂のユニークな取り組みの一環として記憶され、楽しさと家族が集まる場所としての役割を果たしました。コンテンツの幅広さや独自の評価システムなど、当時のユーザーにとって新しい体験を提供する重要なサービスでした。

もう一度検索