Windows タスク マネージャー

Windows タスク マネージャー

Windows タスク マネージャーは、Microsoftが開発したWindows NT系OSに標準搭載されているシステム管理ツールです。プロセス管理、パフォーマンス監視、ユーザー管理など、多岐にわたる機能を提供し、システムの状態を詳細に把握する上で欠かせない存在です。

歴史

タスク マネージャーは、元々Microsoftの開発者であるデヴィッド・プラマー氏が個人的に作成したプログラムでした。同僚のデヴィッド・カトラー氏らの勧めにより、1985年にMicrosoftに寄贈され、Windowsに組み込まれることになりました。初期のタスク マネージャーは、OS内部のメトリクスではなく、公開されたレジストリAPIから情報を取得していました。

Windows Vistaまでは「Windows タスク マネージャ」と表記されていましたが、2008年7月のMicrosoftによる外来語表記ルールの改定に伴い、Windows 7からは「Windows タスク マネージャー」という表記に変更されました。

起動方法

タスク マネージャーは、以下の方法で起動できます。

タスクバーの右クリックメニューから「タスク マネージャー」を選択。
`Ctrl` + `Shift` + `Esc` キーを押す。
`Ctrl` + `Alt` + `Del` キーを押し、表示されたメニューから「タスク マネージャーの起動」を選択。
「ファイル名を指定して実行」ダイアログに「taskmgr」と入力するか、フルパスを入力。

セキュリティ上の理由や、誤操作防止のため、グループポリシーやレジストリの設定により、タスク マネージャーの起動が禁止されている場合があります。その場合、上記の方法で起動を試みても、タスク マネージャーは起動しません。

ショートカットの作成

デスクトップなどで右クリックし、「新規作成」から「ショートカット」を選択し、「taskmgr.exe」と入力することで、タスク マネージャーのショートカットを作成できます。ただし、Windows 8以降では権限の変更により、スタートアップに登録してもログイン時に自動起動しなくなりました。

タブの機能

タスク マネージャーには、以下のタブがあります。

プロセス

現在実行中のタスク（プロセス）の一覧と状態を表示します。タスクを選択して終了や切り替えを行ったり、新しいタスクを作成したりできます。例えば、フリーズしたアプリケーションや閉じられないウィンドウを強制終了させる際に利用されます。ただし、強制終了はデータが保存されない可能性があるため、極力避けるべきです。

タスクのウィンドウ状態などは、右クリックやアプリケーションキーで変更できます。

パフォーマンス

CPU、メモリ、ディスク、ネットワークなどのシステム全体の統計や使用状況を折れ線グラフで表示します。数値表示の内容はWindows Vista以前と異なります。マルチコアCPU環境では、CPU使用率グラフはコア数（スレッド数）分表示されます。

ユーザー

ログイン中のユーザーの状態を表示します。強制ログオフやメッセージの送信が可能です。

詳細

「プロセス」タブよりも詳細なプロセスの状態を表示します。プロセスのCPU、メモリ、I/Oなどのリソース使用率、GDIオブジェクト、USERオブジェクトなどのWindowsリソース使用率が表示できます。プロセスの優先度やプロセッサアフィニティの変更も可能です。

ユーザー権限によって表示されるプロセスが異なります。管理者権限を持つユーザーは、システムプロセスも表示できます。

サービス

Windowsサービスの一覧と状態を表示します。サービスの開始・停止、関連するプロセス名やプロセスIDが表示できます。Windows Vistaから実装された機能で、より詳細な操作は「サービス」コンソールで行います。

ネットワーク

ネットワークアダプターを持つマシンで表示されます。アダプターごとの送受信履歴を折れ線グラフで表示します。

その他

タスクトレイのアイコンでCPU使用率を簡易表示できます。
特定のタブだけを表示したい場合は、タブの余白部分をダブルクリックすると他のタブを非表示にできます。
クライアントエディションでは、タスクマネージャーのメニューからWindowsのシャットダウンができましたが、Windows Vista以降では削除されました。

メモリ使用量に関する注意

タスク マネージャーは便利なツールですが、表示される「メモリ使用量」を実際の物理メモリ使用量と誤解したり、異なるアプリケーション間で値を比較したりすることには注意が必要です。例えば、Windows XPの「パフォーマンス」タブにおけるPF(ページファイル)使用量は仮想メモリの合計を示していましたが、Windows Vista以降では物理メモリの合計を示すようになりました。

また、Windows XPの「プロセス」タブにおける「メモリ使用量」はワーキングセットの大きさ（物理メモリのみ）を示していましたが、Windows Vista以降ではプライベートワーキングセット（共有メモリを除いた値）を示すようになりました。そのため、Windows XP以前と比較してメモリ使用量が減ったように見えることがありますが、これは表示内容の変更によるものです。

類似のアプリケーション

Windows 9x系

Windows 9x系にはタスクマネージャーは搭載されていませんが、`Ctrl`+`Alt`+`Del`キーを押すと実行中のプロセス一覧が表示され、強制終了を選択できます。「タスクリスト」や「システムモニタ」など、タスクマネージャーに近い機能を持つツールが用意されています。

サードパーティー製

タスクマネージャーよりも高度な機能を持つサードパーティー製アプリケーションも存在します。例えば、プロセスよりも細かいスレッドの表示や、ハードウェアの状態監視などが可能です。

Process Explorer
Process Hacker

関連項目

タスクバー
* アクティビティモニタ（macOS版タスクマネージャー）

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