Windows Script Host

Windows Script Host（WSH）は、Microsoft Windowsにおいて、テキストファイルに記述されたスクリプトを実行するための環境です。略称はWSHで、かつてはWindows Scripting Hostと呼ばれていました。Windows 98から搭載され、UnixにおけるシェルスクリプトやMS-DOSのバッチファイルと似た役割を果たします。

概要

WSHは、標準でVBScriptとJScriptを利用できます。Active Scriptingのホストとして機能するため、他のスクリプト言語エンジンをインストールすることで、Perlなど様々な言語での処理が可能です。これにより、ユーザーは使い慣れた言語でスクリプトを作成できます。また、COMを通じてレジストリ操作やWMIへのアクセスが可能であり、高度で複雑な処理を記述できる強力な機能を備えています。

経緯

コンピューターは本来、人間が手間のかかる機械的な作業を代行するためのものです。Windowsでは、MS-DOS時代からバッチファイルが使われており、バッチ処理を実行できました。バッチファイルは機能が拡張されていきましたが、もともとシンプルな作業しか想定していなかったため、複雑な処理には不向きでした。そのため、複数のバッチファイルを連携させる必要があり、初心者には使いにくいシステムでした。

そこで、より簡単に複雑なスクリプトを記述できるシステムとして、Windows Script Hostが登場しました。WSHで利用できるVBScriptやJScriptは、バッチファイルよりも柔軟な構文を持ち、記述も容易なため、初心者にも扱いやすいものとなっています。

今後

WSHはある程度普及しましたが、スクリプトを利用したウイルスや脆弱性攻撃が増加しました。強力な機能が逆にセキュリティリスクを高め、また、ドキュメントの不足もあって、次第に利用が敬遠されるようになりました。この状況を打開するため、マイクロソフトは、広範囲な管理タスクの自動化を可能にする新しいスクリプト実行環境であるWindows PowerShellをリリースしました。

PowerShellの登場により、WSHはその役割を終え、今後は新しい機能が追加される予定はありません。WSHは過去の技術となりつつあります。

関連項目

Active Scripting
Windows PowerShell
バッチファイル

外部リンク

Windows Script Host（MSDNライブラリ）

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