World for Two

『World for Two』の世界観と魅力

『World for Two』は、株式会社セブンスランクが手掛けた独自のゲームソフトで、プレイヤーは滅亡した世界でのサバイバルを体験します。2019年にiOS・Android版がリリースされ、その後Nintendo SwitchやSteamでも登場し、多くのユーザーに愛されています。このゲームの舞台は、大洪水によって生命のほぼすべてが失われた世界で、プレイヤーは外界から隔絶された研究所にいる博士と彼の作ったアンドロイドの冒険を担います。

ゲームの概要

プレイヤーはアンドロイドを操り、屋外で自然エネルギーやDNAを集めて新しい生物を創造していきます。この過程には探索や戦略的思考が求められ、ゲームを進める中でさまざまな生物を発見し、育成する楽しみがあります。屋外エリアは4つの異なる環境、すなわち沼地、森林、砂丘、遺跡に分かれており、各エリアには独自の要素やチャレンジがあります。

アンドロイドは生物からDNAを採取し、最大3回まで利用可能ですが、採取後の生物は消えてしまいます。研究所内では自然エネルギーを消費して「人工DNA」を生成し、これを使って新たな生物を創り出す「生物創造装置」が利用できます。特定の組み合わせによって新しい生物が生まれるメカニズムは、プレイヤーに創造の喜びを体験させます。また、作成した生物はメニューの「BOOK」で確認することができ、進行状況を把握しながらゲームを楽しめます。

ゲームの追加要素として、ヨカゼレーベル版では14種類の新たな生物が加わり、さらに本編の過去の出来事を描いた「前日譚」モードも開放されます。また、音楽の変更が可能で、ピアノ五重奏曲版のBGMに変更することで、より一層の没入感を確保しています。

開発の背景

開発を手掛けたのは、セブンスランク創設者のしんいち氏で、彼はこれまでパズルゲームの制作をしてきましたが、2017年のゲームイベント「A 5th of BitSummit」での出展がきっかけで、インディーゲーム制作に挑むことを決意しました。ドット絵担当のハフハフ・おでーん氏を迎えて、初めは水中で生物を育成するカジュアルなゲームを構想していましたが、物語やゲーム性にこだわっていく中で、現在の形が確立されました。

しんいち氏はゲーム制作において『The Last of Us』や映画『アイ・アム・レジェンド』、さらには『鋼の錬金術師』から影響を受けたと語っています。また、タイトルのアイデアは『Tea for Two』に由来しており、ユニークな響きを持っています。

グラフィックと音楽

グラフィックスタイルはサイドビューのドット絵で描かれ、色鮮やかなビジュアルが特徴です。ゲーム内の昼夜の変化や天候が表現され、プレイヤーは景色の美しさを楽しむことができます。作曲を担当した椎葉大翼氏は、各エリアにおいて昼夜どの時間でもマッチする音楽を制作し、レトロな音色を持つシンセサイザー「Roland D-05」を使用しています。また、研究所エリアのBGMにはアナログ録音されたピアノ楽曲を使用し、ゲームの雰囲気を引き立てています。

評価と受賞歴

『World for Two』は、その独自のゲームデザインと美しいグラフィックで高い評価を受けており、BitSummit Awardsでビジュアルエクセレンス賞にノミネートされたり、Google Play Indie Games Festival 2020でトップ10に選ばれるなど、業界内外で注目されています。

このように、『World for Two』は創造性あふれるゲームプレイと深く練り込まれたストーリーが魅力の、忘れがたい体験を提供します。

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