World of Warcraft

World of Warcraft：広大な世界と冒険が待つMMORPG

2004年にBlizzard Entertainment社によって開発・運営が開始された『World of Warcraft』（通称WoW）は、WindowsとMac OS Xに対応したMMORPGです。ウォークラフトシリーズの世界観を継承し、美麗な3Dグラフィックと比較的低い動作環境要求が特徴で、数々のギネス記録にも名を連ねる人気タイトルです。

ゲームシステム

プレイヤーは、自分自身のアバターとなるキャラクターを操作し、広大な世界Azerothを冒険します。視点設定は通常は斜め上から見下ろす視点ですが、一人称視点への変更も可能です。

ゲーム内では、多様なモンスターとの戦闘、魅力的なクエストのクリア、そして他のプレイヤーとの交流が可能です。基本プレイ料金は月額課金制となっており、クレジットカード、ゲームカード、デビットカードなどが決済手段として利用できます。

ゲーム開始時には、プレイヤーは複数のサーバー（ゲーム内ではRealmと呼ばれる）から一つを選択する必要があります。各サーバーは独立した世界であり、数千人のプレイヤーが同時に活動します。サーバーはPvP（プレイヤー同士の戦闘）の可否に基づき、「PvP」、「Normal」、「RP（ロールプレイ）」、「RP-PvP」の4つのカテゴリに分類されます。

また、プレイヤーは「Alliance陣営」と「Horde陣営」のいずれかに所属することになります。両陣営は永きに渡る戦争状態にあり、異なる陣営のプレイヤー間ではチャットやアイテムの直接取引などが制限されています。ただし、Emoteと呼ばれる動作による簡単な意思疎通は可能です。

一つのサーバーにつき最大10キャラクターまで、アカウント全体では最大50キャラクターまで作成できます。キャラクター作成は無料ですが、名前や種族の変更、サーバー移動などは有料サービスとなります。

マップはゾーン制を採用しており、ゾーン間の移動はシームレスに行われます。チャットチャンネルはゾーン毎に分けられていますが、カスタムチャンネルやグループ/ギルドチャットはどのゾーンからも利用可能です。

クエストはソロでプレイできるものが多く、手軽にゲームを楽しめます。しかし、グループ推奨のクエストも多く存在し、「グループクエスト（2～5人用）」「ダンジョンクエスト（5人用）」「レイドクエスト（10/25/40人用）」など、規模に応じた難易度と報酬が用意されています。

ダンジョンの一部はインスタンス化されており、グループでしか攻略できません。インスタンスはグループ専用の世界であり、他のグループとの競争が避けられるようになっています。ダンジョンボスを倒すと、ランダムでアイテムを入手できます。

エンドコンテンツ

レベルキャップに到達した後も、アリーナでのPvP対戦やレイドダンジョン攻略など、多くのコンテンツを楽しむことができます。これらのコンテンツは難易度が段階的に設定されており、初心者にも取り組みやすいよう配慮されています。達成難易度に応じて高品質なアイテムを入手できるため、高いやりがいがあります。ただし、報酬分配システムには改善の余地がある部分も存在します。

チャットシステム

WoWのチャットシステムはIRCをベースとしており、独自のチャンネルを作成できます。ただし、AllianceとHorde間ではチャンネルの共有ができません。Unicode対応のため日本語チャットも可能ですが、全角文字の使用は推奨されていません。

アップデート

アップデートは数カ月毎に行われ、規模も様々です。大規模アップデートでは、BitTorrentのP2P方式を利用したBlizzard Downloaderが使用され、サーバーへの負荷軽減が図られています。

アドオン

WoWの大きな特徴として、アドオン(AddOn)と呼ばれる拡張機能があります。XMLやスクリプトで記述されたファイルで、ゲーム機能を拡張できます。ただし、Blizzardはアドオンの動作を保証しないため、導入は自己責任で行う必要があります。悪質なアドオンによるセキュリティリスクも存在します。

セキュリティ

アカウントを狙った詐欺やハッキングの危険性が高いです。キーロガー、なりすましメール、偽装URLなど様々な手口が用いられます。公式からの連絡は外部サイトへの誘導はせず、アカウント情報などを尋ねないため、注意が必要です。アドオンのダウンロードは信頼できるサイトから行い、ウイルス対策ソフトの使用も推奨されます。

種族と陣営

プレイヤーは最初に種族を選択し、それに応じてAlliance陣営またはHorde陣営に所属することになります。種族によって能力値や特殊能力が異なり、ゲームバランスに影響を与えます。種族によって選択可能なクラスにも制限があります。

Alliance: Human、Dwarf、Night Elf、Gnome、Draenei、Worgen、Lightforged Draenei、Void Elf、Dark Iron Dwarf、Kul Tiran、Mechagnome

Horde: Orc、Undead、Tauren、Troll、Blood Elf、Goblin、Nightborne、Highmountain Tauren、Mag'har Orc、Zandalari Troll、Vulpera

中立: Pandaren (レベル10到達後に陣営選択)

クラスとタレント

クラス選択は種族に依存します。かつては陣営限定のクラスもありましたが、現在はほとんどのクラスが両陣営で選択可能です。「Death Knight」は例外的に種族制限がなく、サーバー毎に1キャラクターまで作成可能です。

各クラスにはタレントシステムがあり、能力を強化できます。バージョン5.0以降はタレントツリーは廃止され、レベルアップごとにタレントを選択するシステムに変更されています。

生産スキル

WoWには、Professionと呼ばれる生産スキルがあります。Primary Professionは11種類、Secondary Professionは4種類あり、それぞれ異なる役割と効果を持ちます。Primary Professionは2種類まで習得可能で、スキル習得に手間がかかりますが、ゲームプレイに大きな影響を与えます。

Primary Profession: Herbalism、Mining、Skinning、Alchemy、Blacksmithing、Enchanting、Engineering、Inscription、Leatherworking、Tailoring、Jewel Crafting

Secondary Profession: Cooking、Fishing、First Aid、Archaeology

バージョン7.0以降、Primary Professionによるキャラクター能力へのボーナス効果は廃止されています。また、バージョン8.0ではFirst Aidが削除されました。

世界背景と歴史

WoWの世界観はウォークラフトシリーズをベースとしています。Burning Legionの侵攻、Scourgeとの戦い、そしてAllianceとHordeの対立など、複雑な歴史が背景にあります。

拡張パック

WoWには、ゲーム内容を拡張する複数の拡張パックがリリースされています。それぞれレベル上限の引き上げ、新種族、新エリア、新クラス、新システムなどが追加されています。

Burning Crusade
Wrath of the Lich King
Cataclysm
Mists of Pandaria
Warlords of Draenor
Legion
* Battle for Azeroth

その他

WoWは、仮想空間内でのパンデミックが発生した「Corrupted Blood事件|Corrupted_Blood事件」でも知られています。また、サウスパークやファイナルファンタジーXIVなど、他の作品にも影響を与えています。

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