World world world

ORANGE RANGE|ORANGE_RANGEのアルバム『world world world』

ORANGE RANGE|ORANGE_RANGEによる6枚目のオリジナルアルバム『world world world』がリリースされました。このアルバムは、2023年に前作『PANIC FANCY』から約1年1か月ぶりの登場となり、これまでの作品に比べてデジタル打ち込みを取り入れた楽曲が増加しています。

初回限定盤には、特別にPVやメイキング映像が収録されたDVDが付いており、ファンにとって価値ある一品となっています。また、アルバムのクレジット欄には興味深いメッセージが記載されており、YAMATOは「シングル1打及ばず」と表現している一方、NAOTOは多くの楽器やプログラミングを担当したことが明記されています。

アルバムの発表にあわせて、全国ホールツアー「ORANGE RANGE|ORANGE_RANGE LIVE TOUR 009-010 〜world world world〜」も決定し、ファンにとって重要な時期となっています。興味深いことに、このアルバムはSPEEDSTAR RECORDSとの提携後、メジャー流通最後のオリジナルアルバムとして位置づけられています。以降はメジャー流通インディーズ作品へと移行することになりますが、この時期の作品には特別な意味が込められているようです。

アルバム収録曲の中で特に注目すべきは、「the map」や「FACTORY」など、打ち込みを主体とした楽曲です。「the map」は、架空の場所を設定とし、YOHの主張によりアルバムのオープニングトラックとなっています。一方、「FACTORY」ではRYOの独特なオクターブによる歌唱が印象を残しています。

「KIMAGURE 23」では、女性主人公の目を通したストーリーが展開されており、CD発売前にファンクラブイベントでも披露された曲です。また、シングルとしてリリースされた「おしゃれ番長 feat.ソイソース」は江崎グリコのCMソングであり、その人気も伺えます。

「White Blood Ball Red Blood Ball 〜Dub Mix〜」は、身体の神秘をテーマにし、NHKの「みんなのうた」に提案されたものの却下されたという背景も興味深いです。ギターやベースによる演奏は体内のイメージから着想を得ており、NAOTOがドラムを担当しています。

沖縄をインスパイアした「Son of the Sun」は、時を重ねるうちに別の方向性に進化し、歌詞には沖縄語が使用されています。また、NAOTOがロックをテーマにした「ジャポネーゼ」も聴き逃せません。

アルバムには「瞳の先に」と「HABISCUS」など、ドラマやイベントにタイアップした楽曲も多数収録されています。特に「鬼ゴロシ」は映画『グッド・バッド・ウィアード』のエンディングテーマとして人気を集め、注目のハードロックナンバーとなっています。

最後のトラック「Fin.」では、意図的にノイズ音が含まれているという遊び心が感じられます。このような特徴を持った『world world world』は、ORANGE RANGE|ORANGE_RANGEの音楽の幅広さと独自性を改めて感じさせる作品です。

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