X&Y

コールドプレイ『X&Y』：時代を象徴するアルバム

『X&Y』は、イギリスのロックバンド、コールドプレイが2005年に発表した3枚目のアルバムです。全世界で830万枚を売り上げ、その年最も売れたアルバムとなりました。全英アルバムチャートでは初登場1位を獲得し、発売初日だけで約15万枚を売り上げ、最初の週で464,471枚を売り上げイギリス音楽史上2番目に早く売れたアルバムとなりました。全米アルバムチャートでも初登場1位を獲得し、最初の週で737,000枚の売り上げを記録しました。

アルバムからのファーストシングル「Speed of Sound」も、全英シングルチャートで2位、全米で8位と、世界的なヒットを記録しました。日本でも67位を記録しています。

アルバムタイトルと音楽性

クリス・マーティンは、アルバムタイトルについて「何の意味もないが、あるとも言える」と語り、具体的には「科学や数学、感情、男女間の恋愛など、答えのないものに対する自分たちのなりの答え」だと説明しています。

音楽的には、本作はヨーロッパのテクノグループ、クラフトワークやデヴィッド・ボウイ、ブライアン・イーノからの影響を受けています。「Talk」では、クラフトワークの楽曲「Computer Love」のメインリフが使用され、「Low」ではブライアン・イーノがシンセサイザーを演奏しています。

アルバムの最後の曲「Til Kingdom Come」は、クリス・マーティンがアメリカのカントリーミュージシャン、ジョニー・キャッシュのために書いた曲ですが、レコーディング前にキャッシュが亡くなってしまったため、コールドプレイが演奏しています。

ジャケットデザインの秘密

ジャケットデザインは、ケミカル・ブラザーズのアルバムカバーも手掛けたTappin Goftonが担当しました。カバーにはBaudot Codeが使用されており、「X&Y」を表していますが、コード化のプロセスに誤りがあったため、実際には「X9Y」となっています。コードの色に特別な意味はありません。

CDのブックレットにはコード化されたアルファベットが掲載されており、最終ページには「Make Trade Fair」がコード化されて載せられています。

日本での発売と特別なエディション

日本では、本国イギリスよりも5日早く先行発売されました。アルバムのヒットを記念して、『X&Y ジャパン・オンリー・スペシャル・プライス・エディション』が5万枚限定で再発売されました。また、『TWISTED LOGIC TOUR 2006』の来日公演を記念した『X&Y 来日記念 スペシャル・エディション』も、ボーナスCD付きの2枚組で発売されました。

日本では、「Speed of Sound」「Fix You」「Talk」「The Hardest Part」の4曲がシングルカットされています。

受賞歴

2005年、Q AwardsにてAlbum of the Yearを受賞
2006年、ブリット・アウォーズにてBest British Albumを受賞
* 2006年、Juno AwardにてInternational Album of the Yearを受賞

『X&Y』は、コールドプレイの音楽的な幅広さと、時代を捉える感性を象徴する作品として、今も多くの人々に愛されています。

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