X-18 (航空機)

X-18の概要

X-18は、アメリカ合衆国のヒラー・エアクラフト社によって開発された実験用のS/VTOL（Short Takeoff and Vertical Landing）機であり、特にティルトウイング方式を採用しています。この機体は、1955年にアメリカ空軍の発注を受けて開発が始まりました。興味深いことに、開発の過程で機体の胴体部分はC-122輸送機から流用され、エンジンも他の機体と同様にターボプロップエンジンが用いられました。

開発の背景と進展

X-18の開発には短期間での完成を目指す意図があり、そのためにC-122の構造を活用しました。ティルトウイング方式に特化した設計で、主翼には2基のターボプロップエンジンが取り付けられており、これらは90度の角度で上向きに傾けることが可能でした。この機能により、エンジンからの推力を下方に向けられ、垂直離着陸を実現しました。

さらに、X-18の主翼には三翅のプロペラが二重反転方式で装備され、低速時のピッチ制御を補助するために、尾部にはターボジェットエンジンが1基搭載されていました。1957年には模型を用いた風洞試験が始まり、1959年11月24日に初飛行を果たします。その後、エドワーズ空軍基地での試験飛行が続きました。

試験飛行とその結果

しかし、試験飛行の中で1961年7月に発生した事件が、X-18の運命を大きく左右しました。20回目の試験飛行中、ホバー状態に移行する際に機体がきりもみに陥る事故が発生し、墜落こそ免れましたが、その結果、飛行試験は中止されることとなりました。その後は地上試験を通じてティルトウイング機の特性を調査し続けましたが、最終的には1964年1月18日に計画が終了し、機体は廃棄されました。

重要な点として、X-18の開発により、ティルトウイング機において左右エンジンの同調が極めて重要であることや、低速飛行時は強風の影響を受けやすいことが明らかになりました。これらの知見は、後のXC-142やV-22といった機体の開発に大いに寄与しました。

主要な性能仕様

• - 全長： 19.2m
• - 全幅： 14.6m
• - 全高： 7.5m
• - 最大速度： 407km/h（M0.33）
• - エンジン： アリソンT-40ターボプロップエンジン（5,500軸馬力）2基、ウエスチングハウスJ34ターボジェット（15.2KN）1基

X-18はその過程において、多くの技術革新をもたらし、将来的な航空機の設計において重要な役割を果たしました。その試みは、航空技術の進展における貴重なステップであり、多くの研究者や技術者に影響を与えました。

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