X-2 (航空機・日本)

X-2（心神）実験機の概要と開発の歴史

X-2、通称「心神」は、日本の防衛省が主導し、三菱重工業が主契約企業として開発した先進的な技術を実証するための航空機です。このプロジェクトは、将来の国産戦闘機に向けた重要な技術や要素を実証することを目的としています。

背景と開発の経緯

X-2の開発計画は、1990年代に遡ります。日本のF-2が日米共同開発に決定された後、自主的な機体設計技術の継承と発展を目指し、ステルス性と高運動性を兼ね備えた実証機の構想が立ち上げられました。1991年から段階的に研究が進められ、2009年度から本格的な実機開発に着手しました。

開発プロセスの中で220社以上の国内企業が参加し、部品の約90％が国産であることも特徴です。2016年1月には型式が正式に発表され、これまでの「心神」という通称ではなく、実証機としてのX-2の名称が用いられるようになりました。

機体の特性と設計

X-2は双発機で、特にレーダー反射断面積（RCS）を抑えるための高度な設計が施されています。左右の垂直尾翼は外傾に配置され、機体表面には電波を吸収する特殊な複合材料が使用されています。全長は約14メートルで、アメリカのF-22と比べて小型ですが、これはあくまで実験目的の機体であり、武器搭載能力はありません。

この機体の運動性を高めるため、フライ・バイ・ワイヤ技術が搭載されており、強力な推力を得るためのエンジンも開発されています。搭載される motor はアフターバーナーを備えたターボファン方式の XF5-1 で、推力は約10トンを誇ります。

開発プロジェクトの進捗

X-2は、初の地上走行試験を2016年2月に実施し、同年4月には初飛行に成功しました。初飛行後は、操縦性や基本性能を評価するための様々な飛行試験を行い、2017年までに32回の飛行試験を完了しました。

将来の展望

Defense Ministry の「将来戦闘機に関する研究開発ビジョン」においては、次世代の国産戦闘機（i3 FIGHTER）の実現に向け、X-2の開発を通じて得られた技術が重要な役割を果たすとされています。さらに、日米や他の先進国との連携を通じて、将来の戦闘機の開発が進められていく見込みです。

総括

X-2は、日本の航空技術の新たな可能性を示す重要な実証機であり、将来的な国産戦闘機の開発への架け橋となる存在です。今後の進展に大いに期待が寄せられます。

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