XA-38 (航空機)

XA-38 攻撃機の概要

XA-38は、アメリカ陸軍航空隊向けにビーチクラフト社が開発した試作攻撃機です。1942年に計画が始まり、当初は75mmの機関砲を搭載した双発機としての設計が考えられましたが、競合機の存在により軽攻撃機としての開発に変更されました。初飛行は1944年5月に行われましたが、量産に至ることはありませんでした。

開発の背景

XA-38の開発は1942年3月に始まりました。ビーチクラフト社は、アメリカ陸軍航空隊のニーズに応えるべく、非常に強力な武装を持つ航空機を提案しました。具体的には、75mm機関砲を装備した双発複座機の形態が初めに考えられました。しかし、様々な競合機が存在することから、最終的には軽攻撃機としての仕様に転換されました。1942年の9月には、2機のXA-38の発注があり、10月にはモックアップテストが完了しましたが、エンジン選択で難航し、初飛行が遅れることとなりました。

性能と仕様

XA-38は、優れた飛行特性を備えていました。機首には「デストロイヤー」と呼ばれる強力な75mm機関砲が搭載され、また、操縦士たちからは「グリズリー」という愛称でも親しまれました。全体的に見ると、その性能は満足すべきものでしたが、搭載されたR-3350エンジンは当時のB-29爆撃機と同じものであり、需要が高く入手が困難でした。また、交戦国に対抗する爆撃機が減少していたため、XA-38は生産されることなく、試作のみで終わりました。

以下は、XA-38の主要なスペックです：

• - 全長: 15.79 m
• - 全幅: 22.51 m
• - 全高: 4.73 m
• - 全備重量: 13,545 kg
• - エンジン: ライトR-3350-43（2,300hp）×2
• - 最大速度: 605 km/h
• - 実用上限高度: 8,473 m
• - 航続距離: 2,286 km

武装

XA-38は、強力な武装を有しています。以下の武装が装備されています：

• - 75 mm機関砲 T15E1 ×1（装弾数20発）
• - 12.7 mm機銃 AN/M2 ×6（機首固定×2、連装銃塔×2（機体上／下面））
• - 爆弾等: 最大907.2 kgの爆弾を搭載可能

乗員は2名で、軽攻撃機としての性能を持ちながらも、実戦での使用をされることはありませんでした。

結論

XA-38は、非常に特殊な背景を持つ航空機であり、その開発は戦争の状況や技術的な制約の中で行われました。最終的には量産には至らなかったものの、その設計上の特異性や性能には注目すべき点が多いと言えるでしょう。このような航空機が試作されたことは、当時の技術の進歩と空軍のニーズの変化を反映しているとも考えられます。

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