XB-21 (航空機)

ノース・アメリカン B-21 の概要

ノース・アメリカン B-21は、アメリカ陸軍航空隊向けに設計された試作爆撃機で、ノース・アメリカン社によって開発されました。1936年に初飛行したものの、結果的に量産には至らなかったこの機体は、社内では「NA-21」とも呼ばれ、一般には「ドラゴン」として知られています。

設計と開発

B-21の開発は1936年の1月から始まりました。機体は低翼単葉式で、双発エンジンを搭載しています。特に、1枚構造の垂直尾翼は、その特徴的なデザインとなっております。初飛行は同年の12月22日に行われ、この時点で性能評価が期待されました。

アメリカ陸軍は、この機体に前量産型のYB-21を5機発注しました。しかし、同時期にあったB-18爆撃機と比較した結果、B-21が$122,600のコストだったのに対し、B-18が$63,977と安価であったため、最終的にはYB-21の発注はキャンセルされてしまいました。このような競争の中、B-21は試作機1機のみの製造に留まりました。

技術データ

B-21の基本的なスペックは以下の通りです：

• - 乗員: 6から8名
• - 全長: 18.83メートル
• - 全幅: 28.96メートル
• - 全高: 4.50メートル
• - 自重: 8,674キログラム
• - エンジン: ライト R-2180 レシプロエンジン 2基（各1,200馬力）
• - 最大速度: 352キロメートル/時
• - 航続距離: 3,136キロメートル
• - 武装: 機銃5門、爆弾4トン

これらの仕様からもわかる通り、B-21は当時の航空機としては優れた性能を有していましたが、コストにおいては競合機種に後れを取ったことが、運命を分ける要因となりました。

結論

結局、ノース・アメリカン B-21は試作機が1機のみで、量産型が存在しないことから、実戦に投入されることはありませんでした。しかし、航空機開発の歴史において、その試みやデザインは評価され続けています。このような試作機は、新たな技術の礎となり、後の航空機設計に影響を与える要素として今でも重要な位置を占めています。

もう一度検索