XB-31 (航空機)

XB-31: ダグラス社の大型重爆撃機計画

XB-31（英語: Douglas XB-31、内部名称: Douglas Model 423）は、1940年代初頭にアメリカの航空機メーカー、ダグラス社が開発を試みた大型重爆撃機に関する計画です。この機体は、アメリカ陸軍航空隊の長官ヘンリー・H・アーノルド大将が構想した長距離爆撃の概念に基づいています。

背景

1939年9月、ヨーロッパで戦争が勃発し、それを受けてアメリカ陸軍は超長距離爆撃機の開発計画を始めることを決定しました。この計画は、2万ポンド（約9,000kg）の爆弾を搭載でき、航続距離が8,500kmを超える爆撃機の設計を目指したものです。1940年1月には、各航空メーカーに仕様が示され、ダグラス社はその中で「B-31設計案」を提案しました。

ダグラスの計画案は、他のメーカーの案と比べて相当に大きな機体として設計されていました。具体的な設計は次第に進行していきましたが、実際に製造され、実戦に投入されたのはボーイング社のB-29とコンベア社のB-32でした。結局、ダグラス社は、ボーイング案がより有利であると判断し、ロッキード社と連携しながら開発競争から撤退することにしました。その結果、XB-31の計画は設計段階のみに留まりました。

機体仕様案

XB-31の設計仕様は次の通りです。

• - 乗員: 12名
• - 全長: 35.7m
• - 全幅: 63.1m
• - 翼面積: 310m²
• - 機体重量: 49,530kg
• - 最大離陸重量: 98,800kg

この機体は、エンジンにライト社のR-3350-13「サイクロン」を4発搭載する計画であり、一部の再設計ではプラット・アンド・ホイットニー社のR-4360に変更される可能性もありました。各エンジンは2200馬力を発生することが想定されていました。

また、武装に関しても計画がありました。

• - 予定武装:

- 12.7mm機関砲 × 4門
- 37mm尾部キャノン砲 × 1門
- 弾薬搭載量: 11,000kg

結論

XB-31は、アメリカ陸軍航空隊が要求した超長距離爆撃機の能力に応えるべく設計されたものの、最終的に実現には至らなかった大型重爆撃機計画です。この計画は、当時の航空技術や戦略的ニーズを反映したものであり、後の爆撃機の設計に影響を与えました。ダグラス社の挑戦は、航空史における重要な一章として記憶されています。

外部リンク

• - Joe Baugher's Encyclopedia of American Aircraft
• - アメリカ空軍博物館

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