XB-43 (航空機)

XB-43 ジェットマスター

XB-43 ジェットマスターは、1940年代にアメリカ合衆国で開発された初のジェット爆撃機のプロトタイプです。この航空機は、ダグラス社によって設計され、当初はレシプロエンジンを搭載したXB-42 ミックスマスターを基に発展する形で作られました。XB-42は、高速性能を追求した設計ですが、レシプロ動力であったため、制式採用には至りませんでした。

1944年3月、ダグラス社はXB-42に搭載されていたエンジンを、ゼネラル・エレクトリック社製のJ35ターボジェットエンジンに変更しました。この新型機は、エンジンを機体の胴体内部から両主翼の根元に埋め込む形で配置し、より良い空力特性を実現しました。開発は、当初の計画に基づきXB-42の地上試験機を改造する方式で進められましたが、第二次世界大戦の終結によって軍用機の需要が低下し、またジェットエンジンの地上試験中に事故が発生したため、初飛行までに2年を要しました。

1946年5月17日、XB-43はミューロック乾湖で初飛行を行い、これはアメリカ初のジェット爆撃機として記録されました。試験飛行は1946年から1953年にかけて行われましたが、量産化されることはありませんでした。試験段階の機体は、搭載エンジンを何度も換装しながら、運用を続けましたが、製作された2機のうち1機が1951年に事故で失われ、主に部品取りとして扱われることとなりました。

残る1機は、1954年にスミソニアン学術協会に引き渡され、現在は国立航空宇宙博物館に保存されています。これにより、XB-43ジェットマスターは歴史的な遺産として、多くの人々にその存在が知られています。

スペック

• - 全長: 15.7 m
• - 全幅: 21.7 m
• - 翼面積: 52.3 m²
• - 高さ: 7.4 m
• - 搭載エンジン: アリソン J35-GE-3 ターボジェット（各4,000lbf(18kN)x2）
• - 航続距離: 4,000 km
• - 最大上昇限界高度: 11,700 m
• - 空虚重量: 10,380 kg
• - 全備重量: 18,000 kg
• - 最大速度: 816 km/h
• - 乗員: 3名
• - 武装: 12.7 mm 機関銃 2門、爆弾3,600 kg

関連項目

• - XB-42
• - XB-45（アメリカで初めて制式採用されたジェット爆撃機）
• - 航空機
• - 爆撃機
• - 爆撃機一覧

外部リンク

• - Smithsonian National Air and Space Museum
• - National Museum of the United States Air Force: XB-43 Data Sheet
• - National Museum of the United States Air Force: YB-43 Data Sheet

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