XC-99 (航空機)

XC-99について

XC-99は、アメリカのコンベア社がB-36戦略爆撃機を参考にして開発した大型軍事輸送機です。この機体は1942年にアメリカ陸軍航空軍の要求に応じて設計され、試作機として1機のみが製造されました。XC-99は約10年間にわたり運用され、その間に多くの飛行試験が行われました。

概要

B-36爆撃機の開発は1941年から始まっており、コンベア社はこの機体の設計を基にした輸送機型モデル36の開発を1942年5月に開始しました。これによりXC-99が誕生し、1942年には正式に発注されました。この機体は、主翼と尾翼にB-36の設計が流用されているものの、胴体は大きく改良され、2階建ての構造となっています。主翼の配置は中翼に変更されています。初飛行は1947年11月23日に行われ、その後様々なテストが実施されました。

第二次世界大戦が終わり、冷戦の幕開けを迎える前の時代において、大型輸送機の必要性が低下したため、XC-99は試作機としての1機のみで終了し、量産には至りませんでした。しかし、この機体は当時の中で最大の輸送能力を誇っており、1949年11月23日にアメリカ空軍に引き渡され、実戦に配備されました。最終的には1957年に退役するまでに7,400時間の飛行が記録されています。

現在の状況

退役後、XC-99はテキサス州サンアントニオのケリー空軍基地で展示されていましたが、1960年代に入るとその外装に使用されたマグネシウム鋼板が劣化し、自然の中に放置されることとなりました。1993年、アメリカ空軍がこの機体を再取得し、国立アメリカ空軍博物館での保存を目的に、2004年から解体作業を実施しました。現在、この機体は博物館で展示されています。

その他の情報

XC-99を民間旅客機に改造する計画も立てられていました。この計画はコンベア・モデル37という名称で知られ、パンナムから発注を受け、大西洋横断路線の使用を想定していました。もしこのプロジェクトが実現していれば、ボーイング747に匹敵する巨艦が誕生していた可能性がありましたが、実際には製造には至りませんでした。

要目

• - 乗員：5名
• - 全長：56.40m
• - 全幅：70.10m
• - 全高：17.50m
• - 最大離陸重量：145,000kg
• - エンジン：P&W ワスプ・メジャー レシプロエンジン 6基（3,500馬力×6）
• - 最大積載能力：完全武装兵士400名または貨物45,000kg
• - 航続距離：13,000km

このように、XC-99は非常にユニークな経歴を持つ航空機であり、その設計理念は今もなお航空機の進化に多大な影響を与え続けています。

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